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ロマン・ポランスキーがおくる、吸血鬼をパロディッたらこんな映画になったという作品。
人の生き血を吸って生き続ける吸血鬼の映画って子供の頃テレビで放映される定番番組だった。ムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」に続いて、ベラ・ルゴシがドラキュラを演じた「魔人ドラキュラ」(1931)の、クリストファー・リーの「吸血鬼ドラキュラ」(1958)、ゲイリー・オールドマンが演じたコッポラ監督の「ドラキュラ」(1992)、「ヴァン・ヘルシング」(2004)などなどいつの時代にも映画化されてドラキュラと蝙蝠とトランシルバニアは3点セットで刻まれている。子供の頃、テレビの洋画劇場で何度も何度も見たのはベラ・ルゴシのドラキュラだったんだろうな、きっと。クリストファー・リーはちょっと端正すぎたかな。コッポラ作品は面白いとも思うけど、キアヌがでるとどうも怪奇さから程遠くなる。ここまで観たら吸血鬼をパロディッたこんな作品は大いに盛り上がる。 ロマン・ポランスキーの「吸血鬼」 1967年/アメリカ・イギリス/108分なにしろ冒頭で製作会社MGMのタイトルのライオンが吸血鬼に変わり、血が滴り落ちて、その血がクレジットの間をハミングするように漂っていくという、なんともふざけたようなユーモア溢れるオープニングから乗ってしまう。DVDパッケージからしてオープニングの雰囲気が伝わってきそう。 ポランスキー演じる教授の助手アルフレッドが思いを寄せる宿屋の娘を演じたシャロン・テート。この映画が彼女の最後の作品になってしまう。二人の姿がとっても初々しいのがかえって痛ましいわ。 シャロン・テートが美しい。 そんなシャロンに対するポランスキー演じるアルフレッドはというと…… 宿についてサラに足を洗ってもらうアルフレッドがサラの胸の谷間を黙ってじっと見つめる場面なんか、世間知らずのオタク青年が始めて女性を知った図となる。 でもポランスキーって結構おふざけ好きな人なんだ。パロディでも決してお軽くなくってきちんと吸血鬼伝説のお約束も、過去の吸血鬼映画にも敬意を表し、かつそれらを逆手にとってパロディるセンス。やっぱり才能があるんだ。 吸血鬼研究に命をかけるほどに取り組み、吸血鬼を退治せんとするアブロンシウス教授は、助手のアルフレッドを伴ってトランシルバニアに辿りついた。内気で純情なアルフレッドは宿の一人娘サラにぞっこん参ってしまう。入浴するのをかぎ穴から覗いたアルフレッド彼女が吸血鬼にさらわれていくところを目撃してしまった。 吸血鬼を退治してサラを魔手から取戻さなければ……二人はクロロックス伯の城に向う。 ここでも吸血鬼は永遠に生き続けるというこの長い長い時間に飽き飽きしていて、時間はたっぷりあるから学術研究は専門家以上。孤独は耐えられないときているから、伯爵は教授を吸血鬼にして我が学友にせんと、そして伯爵のホモセクシャルの息子はアルフレッドを恋人にせんと言い寄る。二人は城に閉じ込められて吸血鬼にされてしまうのか! サラを無事救出できるのか! パロディ満載で、でもなかなかのホラーで、怪奇ムードたっぷりで、真っ白な雪景色の映像も素晴らしい。 で、最後もお約束どおりなんだけれど、このオチも、そしてポランスキーにも笑ってしまう。 なんといってもポランスキーの純情可憐なオタク青年(オタクはポランスキーの地だろう)演技は見もの。 ↓ 前日のヘルツォークのとっても真面目な「ノスフェラトゥ」のイラストの映画ポスターに比べたら、 ↑ のおふざけの映画ポスターときたら…!
by mchouette
| 2009-07-15 00:00
| ■映画
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