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Amore,amore,amore,amore mio...
子供の頃よく巷に流れていた曲。UN MALEDETTO IMBROGLIO 1959年/イタリア/118分 監督: ピエトロ・ジェルミ オープニングとラストで哀切を帯びて流れる Alide Chelli(アリダ・ケッリ)が歌う「Sinno Me Moro」日本語に訳すと「死ぬほど愛して」。1960年(昭和35年)のヒット曲だったそうだ。 本作はクラウディナ・カルディナーレの映画デビュー作でもあるみたい。 「ディオメーデ!」恋人の名前を叫びながら、カルディナーレが土埃をたてて走り去る車を追いかけるラストシーンとこのメロディだけはしっかりと焼きついている。 ディオメーデ役は「シェルブールの雨傘」でドヌーブの恋人ギーを演じたニーノ・カステルヌオーヴォ。 どうして刑事はあの時、追ってきた彼女を振り切るように車を走らせたのだろう。 せめて、愛するもの同士別れの時を持たせてあげても……って若い時観たときはそう思ったりした。 この映画に出てくる男たちはみんな、女を悲しませ、不幸にしている。 誰一人として女を幸せにしている男は登場しない。 本作の監督・脚本のピエトロ・ジェルミ演じる刑事にしても、作中で何度もパメラという女性に電話している。電話の最中でも呼び出しの電話が入り、会おうと約束しても仕事優先で、約束は流れてしまう。後から電話するといったまま捜査の慌しさに埋もれてしまって電話を忘れてしまっている。 「あいつはいつか何かやらかす。あんな男と一緒にいると不幸になる。早く別れた方がいい。」強盗容疑で取り調べられた時、刑事は彼女に忠告した。 不幸になるだけとわかっていても、恋人を追いかけてくる彼女が不憫だったのだろう。 女を悲しませている自分が許せなかったこともあるんだろう。 そんな男には見切りをつけるほうが幸せなんだっていう自虐的な気持ちもあったんだろうか。 振り捨てるように車を走らせた刑事の心の痛みにも思いがいく。 でもきっと彼女は「ブーベの恋人」 のマーラと同じように刑務所にいる恋人を訪ね、彼が出てくるまで待ち続けるんだろうな。イタリアの女性ってそうなんだろうか。情の強さをもっているんだろうか。 こんな映画を今の年齢になって見直すと、若い時には視線が行かなかったところでふと視線が止まってしまう。そして物語の背景である戦後イタリアの社会状況にも視線を走らせると物語りがいっそう悲哀を帯びてくる。 NHK・BSで放映されていた本作。 そして同じくピエトロ・ジェルミ監督・主演の「鉄道員」も放映。 IL FERROVIERE 1956年/イタリア/115分 どちらも作品に流れる音楽は忘れ難く、音楽とともにシーンが甦る。 哀愁を帯びた音楽はカルロ・ルスティケリ。 「ブーベの恋人 (LA RAGAZZA DI BUBE)」 (1963)もこの人の作曲。これも曲とともに映画のワンシーンがずっと頭に残っている。 この頃の私の中のイタリア映画って、カルロ・ルスティケリ作曲の作品とクラウディア・カルディナーレが焼きついたんだなって思う。
by mchouette
| 2009-07-07 00:00
| ■映画
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