![]() by mChouette 検索
カテゴリ
全体 ■映画 =映画:あ行 =映画:か行 =映画:さ行 =映画:た行 =映画:な行 =映画:は行 =映画:ま~わ行 ■映画・雑記 ■ドラマ ■展覧会・コンサート ■一冊の本 ■徒然なるままに… ■美味しいもの ■アウトドア・旅 ■勝手にバトン ■ご挨拶・お知らせ 未分類 最新の記事
その他のジャンル
|
ガス・ヴァン・サント監督の「ミルク」公開記念として、全国で順次上映されている「ハーヴェイ・ミルク」THE TIMES OF HARVEY MILK 1984年/アメリカ/87分 at:シネ・ヌーヴォ 監督: ロバート・エプスタイン/リチャード・シュミーセン ゲイであるとカムアウトし、全米(おそらく世界でも)初の公職に就いたハーヴェイ・ミルクの、マイノリティの権利のために闘い、ダン・ホワイトによって射殺されるまでの彼の活動の軌跡を、彼を知る人々のインタビューや当時のニュース映像、スチール写真などから追いかけたドキュメンタリー。 冒頭で蒼白な顔で涙を抑えながらハーヴェイ・ミルクとジョージ・マスコーニ市長の死を市庁舎に詰め掛けた報道陣や民衆に一人の女性委員が報告するシーンに続き、暗殺の1年前にメッセージを遺言としてテープに吹き込んでいるミルクと彼の肉声が紹介される。 「僕のように同性愛者であることを公表し目立つ活動をする人間は、臆病な人たちから見ると脅威だろう。そうして語られていくハーヴェイ・ミルクの同性愛をはじめ社会的マイノリティのための闘いの軌跡。 本作がミルクの公職者としての外面を描き、ガス・ヴァン・サントの「ミルク」では、ミルクの内面に深く迫り、ミルクその人を描いているといえるだろう。 そして二つの作品に共通する映像は、ダン・ホワイトに射殺されたミルクとジョージ・マスコーニ市長を追悼する人々によるキャンドル・マーチ。 夜のサンフランシスコの町を埋め尽くした人々が手に手にキャンドルをもって静かに行進する様子を撮った当時のニュース映像が映されていた。 ヘリ上空から撮影したんだろう。 どこまでもどこまで果てることがないと思うほど、そのキャンドルの列は続いている。 「ミルク」でもサンフランシスコの住民たちがボランティアで参加して当時を思わせるキャンドル・マーチを再現していて、この映像には思わず涙があふれた。参加者の中には当時、この行進に参加した人もいたそうだ。 インタビューでもこの時のことを語りながら、涙があふれ声を詰まらせ、精神的支えを喪失した彼らの痛みが伝わってくる。 そして2人の人間を射殺したダン・ホワイトに下されたあまりも軽い判決に、ミルクの死が冒涜されたと抗議し、これが引き金となってミルクを失った怒りと哀しみと喪失感が暴動という形で噴出する。 映画では描かれていなかった事件だ。 ダン・ホワイトは釈放後、自殺を図っている。 彼もまた期待される良きアメリカ人たらんと、内なる自分と外的規定された自分との狭間で自分を見失ってしまったのだろう。あるべき本来の自分から眼を逸らし続けてきた彼が、自分をさらけ出し主張するミルクに触発されれる形で、彼自ら内部で自己分裂を引き起してしまったんではないだろうか。 「ミルク」の中でもダン自身も意識していないこの自己の二重性にミルクが憂慮するシーンも描かれていた。 映画「ミルク」と本作「ハーヴェイ・ミルク」 共に支えあってハーヴェイ・ミルクの実像に迫っている。あわせて鑑賞したい作品。
by mChouette
| 2009-05-20 00:00
| ■映画
| |||||||||
ファン申請 |
||