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STANFFENBERG
2004年/ドイツ/96分 監督: ヨ・バイヤー ブライアン・シンガー監督、トム・クルーズ主演で、第二次大戦下のドイツで、ドイツ軍将校たちによるヒトラー暗殺そしてヒトラー政権の転覆を図ろうとしたクーデーターを描いた「ワルキューレ」が上映されている。 監督がアメリカ人で、主役もアメリカ人で、なおかつ反乱軍のメンバーを演じる俳優たちはみんなイギリス人でもって、台詞は英語の映画「ワルキューレ」。 エンタテイメント作品としてはブライアン・シンガーの映像はかっこよすぎるくらいに、それなりに良く出来ていたとも思うけれど、エンタテイメントとして描くにはドイツ国民にとって失礼ではないか!って観ながら思っていた。戦勝国の傲慢さとも思えたし、敗戦の痛みとか、戦争の痛みに対して鈍感ではないかとも思った。 そして本作「オペレーション・ワルキューレ」は、暗殺未遂事件から60周年にあたる2004年7月20日にドイツ国内で放送されたドイツ製作のテレビドラマ。 ドイツ国内では高く評価されたとのこと。 映画「ワルキューレ」公開にあたってWOWOWで放映されたのを鑑賞。 DVDでも販売されているようだ。 トム・クルーズが演じたシュタウフェンベルク大佐には「善き人のためのソナタ」では劇作家ドライマン、 「ブラックブック」ではドイツ軍大尉を演じ、他に「トンネル」や「飛ぶ教室」にも出演しているセバスチャン・コッホ。 ↓ 下の写真が実際のクラウス・フォン・シュタウフェンベルク。 名門貴族の家柄で爵位は伯爵。 軍隊における最終階級は大佐。 ![]() 「ワルキューレ」ではトーマス・クレッチマンに内定したけれど、契約直前にトム・クルーズになったという。私の希望とすれば、セバスチャン・コッホよりもトーマス・クレッチマンの方が風貌とか雰囲気など適役だとは思うけれど……。 当たり前のことだけれど映像が始まって流れてくるのはドイツ語。 やっぱりドイツ映画はドイツ語だよね! ともに「ワルキューレ」を観た私と息子が同時に反応して口にしたのがこの言葉! 出てくる役者の顔はゲルマン民族!って顔。 これがイギリス人でもアメリカ人でもましてやフランス人には出せないドイツの空気。 作品はやはりテレビドラマの枠に収まった感ありのもの。 映画作品とは映像表現やスケールは違うなと思った。 これはドイツ国内向けに製作されたからだろう。 ドイツでは周知の事実なのか。 背景などはさらりと描かれている程度。 ヒトラーに対し忠誠を近い尊敬の念さえ抱いていたシュタウフェンベルク大佐が、反ヒトラーを掲げ、暗殺を首謀するに至るまでの彼の内面描写や、軍内部の人物相関図といった背景ともいえるこれらの描写が弱く、反乱の意思が軍内部でどこまで浸透し、どこまでの結束があったのか曖昧なまま暗殺実行当日へと物語りは進んでいく。 結局、ヒトラー死亡が確認されないまま、現政府打倒に向けてシュタウフェンベルク大佐が一人突っ走ったとも思える動きで、反乱勢力の人間相関図とか、反乱軍とヒトラー側の動きがよく分からないまま、バタバタと混乱した状況のまま関係者の逮捕によって終結し、銃殺刑でドラマは終る。 シュタウフェンベルク大佐も700年続いた名門貴族の家柄で、数世紀にわたりドイツ国家の中枢にいた家柄だっただろう。彼だけでなくドイツ軍の上層部の人間たちは愛国心の強い名門出身者で占められていたのは、ドイツに限らずかつて帝国といわれた国々をみてもわかるだろう。 対する、ヒトラー政権下で強権を発揮するヒトラーの私設軍隊ともいえるナチス親衛隊。ドイツという国はヒトラーとヒトラー率いるナチスによって牛耳られているという事実。 ヒトラーに忠誠を誓ったといえ、家系に脈々と受け継がれてきた愛国心の強いドイツ軍将校たちと、ヒトラー個人に結集したナチスとは水と油。 いってみれば上流階級出身のドイツ軍将校たちと、成り上がり集団のナチス。ユダヤ人虐殺、ヒトラーとナチスによる独裁政治といった要因のほかに数々のヒトラー暗殺が企てられた裏には、一枚岩ではなかった当時のドイツ軍内部における様々な確執があっただろう。 軍の将校たちが企てた政権奪取のクーデターは、いってみれば階級闘争の変形ともとれるかも。 ヒトラー暗殺、「ワルキューレ」発動による武力でもって現政府を打倒・転覆を図ろうとしたクーデターの背景を描くのには、やはりドイツ国内においてもさまざまな軋轢あるいは描き得ないデリケートな部分も多いのだろうか。 聞くところによると、ドイツではナチスやヒトラーを称賛する言動や行為自体を法律で禁止しているそうで、会話の中で冗談でもそういう話を口にするだけで社会的に罰せられるか、あるいは抹殺されかねないんだそうだ。 ブライアン・シンガーの映像は凝っていて、かっこよく描かれすぎた映画「ワルキューレ」 そして泥臭く描かれたともいえる「オペレーション・ワルキューレ」 作品としてはどちらもどちらも…といったところだろうか。 下手にドラマとして描かず、ドキュメンタリータッチで描いたほうがより緊迫した映像になったのではと思う「ワルキューレ」発動計画によるヒトラー暗殺未遂事件。 本作についての作品評価を語るのはやめておこう。 21世紀になってからドイツが第二次戦争における自国の歴史を描き始めてきた。 二つの大戦があり、一つの大戦で帝国の時代が終りを告げ、次の大戦で自由主義陣営と社会主義陣営に二つに分裂し、植民地からの独立戦争は二大勢力によって翻弄され泥沼化し、20世紀の負の遺産がさらけ出されている。 もう一度本当の意味で歴史を検証し、歴史を語る作品がつくられるべき時なのかもしれないなと思う。
by mchouette
| 2009-04-10 00:00
| ■映画
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