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THE RAINMAKER
JOHN GRISHAM'S THE RAINMAKER 1997年/アメリカ/135分 <ネタバレ>
コッポラが10年ぶりに監督をした「コッポラの胡蝶の夢」が公開されたが、本作は10年前の作品。 原作はジョン・グリシャムの小説「原告側弁護人」 弁護士としての10年のキャリアをもつ彼は、「ペリカン文書」 (1993)、「ザ・ファーム/法律事務所」 (1993)、「依頼人」 (1994) 、「評決のとき」 (1996)、「相続人」 (1997) 、「ニューオーリンズ・トライアル」 (2003) など映画化された原作は多い。 本作で理想に燃える若き法学部卒業生ルーディ役にマット・デイモン。 同じ年に彼は、友人のベン・アフレックと共に脚本を書き映画会社に売り込みにいった「グッドウィル・ハンティング」で、見事アカデミー脚本賞を受賞し、また主演男優賞にもノミネートされた。 他に、ダニー・デヴィート、ミッキー・ローク、ジョン・ヴォイト、ブルーザー・ストーン、クレア・デインズなどなど役者陣は揃っている。 しかし、熱血漢が社会の不正に立ち向かい勝訴を勝取るといった正義を問うといった社会派法廷ドラマとはちょっと趣が違うし、135分という長尺としては、例えば「エリン・ブロコビッチ」みたいな熱いドラマに仕上がってもいないし、感動的なラストが待っているわけでもない。 地味な作品だ。 しかし135分という長さを感じさせないものがある。 金もコネもなく、あるのは熱い情熱だけというルーディ。 バイト先のバーのオーナーが紹介してくれた事務所のボス(ミッキー・ローク)はかなり胡散臭い悪徳弁護士。仕事は自分でとってこなければならない。スタッフには無資格で法廷にも立つという経験豊富なデック(ダニー・デヴィート) そんな悪徳事務所にFBIの捜査の手が伸び、危機をいち早くキャッチしたデックと共にその前に事務所とおさらばして2人で事務所を開設する。 ルーディが実習中に相談を受けクライアント候補は2件。遺言の書換えを相談された老婦人、保険会社から保険の支払いを拒否された白血病の青年ダニー(ジョニー・ウィットワース)とその母(メアリー・ケイ・プレイス)。そして、病院の食堂でいつも勉強していたルーディがそこで出会ったDV被害の女性ケリー(クレア・デインズ) ダニー親子の泣き寝入りを見過ごせないルーディの熱血魂は、保険会社相手に訴訟を起すことに。 相手方の老獪弁護士(ジョン・ヴォイト)と担当判事は結託している。 といった、後半に結びついていくこれらのドラマや、後半の中心ともなる訴訟裁判の奮闘振りなどが、僕ルーディが語るという形で淡々と描かれている。 司法試験に合格したばかりの未熟な、時としてしどろもどろのルーディと、手練手管に長けた老獪な原告側弁護士との対決は、赤子の手をひねるようにルーディはあしらわれる。 悪徳事務所で身につけた年の功デックのアドバイスや助けを借りて、ルーディは果敢に彼らに挑戦していく。 不正を暴くため。そして勝訴すれば賠償金の25%は報酬として支払われる。 ![]() 派手さはないが、実務を知っているグリシャムの強み。 原告側の汚いやり口や、それに抗する策を披露してくれる。 マット・デイモンが、弁護士になりたての気負いと、しどろもどろさと、許せないという正義感をもったルーディを等身大で演じていて、やはり彼はこうした役が地に足ついた雰囲気で適役。 ダニー・デヴィートがコミカルな人情味を添えているし、ミッキー・ロークも少ない出番ながら、説明しなくとも、その胡散臭さを印象付けている。 作品のテイストもルーディのこんな感覚で描かれている。 シリアスなドラマとして盛り上げた演出ではなく、僕を通して淡々と描かれているからこそ物語そのものが明快に見えてくる。 企業利益だけを追求し、人命の尊重の意識など露ほどもなく、あからさまな隠蔽工作をにやにやとみせつけるドラモンド弁護士にルーディは問いかける。 「あなたはいつから堕落したのですか?」 この言葉がこの作品のテーマだろう。 裁判はルーディたちの勝訴に終り、ルーディの名前はいちやく有名になった。 そして保険会社は数々の不正疑惑で捜査の手が入り、会社は破産宣告を国に申請し、そのために賠償金は一銭も被告側に支払われず、とことん支払い拒否の姿勢を崩さない保険会社の強欲さ。 ダニーは勝訴の判決も知らず裁判の途中で亡くなっていた。 賠償金よりも、一人の弱者が大企業に勝ち、倒産にまで追い込んだということの重み。 被告側が求めていたのは金よりも正義だった。 これからの僕は勝ち続けなければならない。タイトルの「レインメーカー」は、金を雨に例え、雨が降るように大金を稼ぐ弁護士を意味する言葉だそうだ。 訴訟に踏み切ったルーディにデックが「訴訟に勝って金を稼ぐんだ。これからはお前はレインメーカーになるんだ。」と大はしゃぎするシーンがある。 僕もなんとしても勝訴する!ダニーのためにも勝訴する!と決意していた。 しかし相手の不正に勝つためには、正攻法では勝てないということを思い知る。 淡々とした展開だけれど、コッポラ監督の巧みな演出なのだろう。135分という長さは決して中だるみせず、観終わった後は良質なヒューマン・ドラマを見た清清しさを感じる作品だ。 ジョン・グリシャム原作の映画化作品を振り返ってみると、本作の描き方って好きだわ。
by mchouette
| 2009-02-21 00:00
| ■映画
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