![]() by mChouette 検索
カテゴリ
全体 ■映画 =映画:あ行 =映画:か行 =映画:さ行 =映画:た行 =映画:な行 =映画:は行 =映画:ま~わ行 ■映画・雑記 ■ドラマ ■展覧会・コンサート ■一冊の本 ■徒然なるままに… ■美味しいもの ■アウトドア・旅 ■勝手にバトン ■ご挨拶・お知らせ 未分類 最新の記事
その他のジャンル
|
QUANTUM OF SOLACE
2008年/イギリス・アメリカ/106分 at:TOHOシネマズ梅田 監督: マーク・フォースター 前作「007カジノ・ロワイヤル」の1時間後から始まる続編。 オープニングから気合十分すぎるほどの気合ですっごく凝った映像。 主題歌も良かった。アリシア・キーズとジャック・ホワイト。 本当にこれに投入って感じ。 そして猛スピードで展開するカーチェイス。クレイグ演じるボンドが、クリスチャン・ベイルほどでもないけれどアヒル口みたいに唇を締めて追跡をかわしていく。 前作で、運命の女と信じ愛したヴェスパーを操っていたミスター・ホワイトを捕まえ、闇の組織の全貌を暴こうとトランクに放り込んで本部に持ち帰る。 そこから浮かび上がった組織の実態は、とてつもなく巨大で、英国情報部内部までアメーバーのようにはびこる危険なもの。 その捜査に乗り出すボンド。 というのが今回の内容のようだ。 アクションシーンなどでもクレイグがスタントマンなしでやったとか。 でもウスピードで繰り広げられるカーチェイスといい、飛行機からのダイビングして、落下しながらパラシュートを装着したカミーユに空中で手をつないでの落下といい、爆発炎上する炎からの脱出といい、ガラス天上からの墜落といい、なんか見ていて人間業の範囲内でやって~な、って思ってしまった。 ![]() アメリカCIAの前身を舞台に描いたロバート・デ・ニーロ監督の「グッドシェパード」でもデ・ニーロ演じる将軍がマット・デイモンに「誰も信じるな」と何度も彼にいい、冷戦を舞台にしたジョージ・ル・カレ(映画「ナイロビの蜂」の原作者)のスパイ小説などを読んでいても「信じられるのは己一人」というのが情報部員たる者に背負わされた鉄の掟だった。記憶をなくした工作員ジェイソン・ボーンの物語でも組織の非情さが描かれていて、ボーンの自分探しの孤独な旅が描かれていた。 で、ダニエル・クレイグ演じる新生ボンドは、そんな非情な鉄の掟の中で、怒りとか悲しみとか愛とかといった人間臭さい感情を顕わにし、今までの英国紳士然とした英国情報部員007ジェイムズ・ボンドと一線を画しているんだろう。 ニヒルを装いながらも、熱き思いで悪と闘うボンド。と言ったところでしょうか。 でも、なんか観ていて思うのが…、 ニヒルさとか、ワイルドさとかに気張りすぎてるみたい。 闇の組織のボス、ダニエル・グリーン演じるマチュー・アマルリックも「俺は悪なんだ!」っていうのを演技しすぎみたいな。 復讐とか、信じていた女性に裏切られた悲しみとか、なんかそんなのがやたら前面に出すぎるのもなぁ……。 何かに溺れることは自らの破滅に繋がるという情報部員の非情さを、女好きのプレイボーイの仮面に隠し、どこまでもクールで、英国紳士のスマートさで……。だからそんなボンドがカッコ良かったところもあるんだな。そしてボンドが飲むお酒にボンドの気持ちも込めさせて、小道具も粋に効かせていた。 安ホテルを蹴って高級ホテルのスィートルームに宿泊といったところなどは、歴代ボンドの高級志向を継承してるのだろうけれど、最近の社会情勢、英国王室の財政難もいわれている中で、英国情報部って金持ってるんだ、などと余計な事が頭に浮かぶ。 で、私の頭が悪いのか、観ながら…、 はて、ボンドは何のためにこんなに気張ってアクションしてるんだっけと、なんでここにいて、この行動はなんなのか、はて彼の任務は何だっけ?って途中で戸惑うことがあった。 ボンドは情報部員たるものに備わった動物的嗅覚で動いていたんでしょうけど……。 それにグリーンが目論むボリビアの水。 それによって世界経済にどれだけの影響を蒙り、彼の組織はそれによってどれだけの利益を得るのか? CIAと彼らはどこで、ど具体的にどういうギブ・アンド・テイクで癒着しているのか? そんな話の本筋(と違うのかな?)がきちんと読めない。 というか、本筋が何本もありすぎる? そして前作以上に登場してきたMことジュディ・デンチ。 今回は、普通の会社でも、事務職ならまだしも、こんなに逐一に上司が出てきたら仕事しにくいだろうなって思ったり、 「彼を信じているの」って最後に言うんだったら、自分のところで堰きとめてボンドを自由に動かしたらって思いもする。 だんだんとボンドとMの関係ってマザコンみたいな……。 ![]() あっ、それから ボンドが一夜の恋に抱いた女がベッドで石油まみれでうつ伏せで殺されていた。 これって、「007ゴールドフィンガー」(1964)で組織を裏切りボンドに寝返った女性全身を金粉塗られて窒息死させられていたシーンの再現? 過去の007シリーズに対するオマージュ? でも真っ黒な石油まみれなんて美しくないし、オマージュと言うよりおぞましい。 ![]() ( ↑これはベッドの右側だけど、映画では確か左側にうつぶせだったと思う。「慰めの報酬」とまったく同じ構図。) なんか気合入れすぎて、デコレーションが多過ぎて、今までの007シリーズとかのシンプルなストーリーとか、ジェイソン・ボーンの無駄のないアクションとストーリー展開、地に足ついた演出などと、つい比べてしまう。 ボーンは着たきりスズメ。ボンドはいつ、どこで調達したん?って砂漠にあったスタイルで登場したり、こんなボリビアのど田舎でバスに乗る金はどうするん 携帯なんか電波通じないんと違う? なんて、本当にいやになるくらい、あれこれと頭の中で余計な事を考えてしまう。 映画に乗れてないんでしょうね。 「007カジノ・ロワイヤル」の時は、今までと違う新生ボンドに、新鮮さを感じ、私はあまり魅力的と思わないけれど、ダニエル・クレイグも筋肉つけてなかなか好ましいんではないかなって思ったけど、本作ではオーラ感じなかったな。 そんな中でマーティン役のジャンカルロ・ジャンニーが、さすが、いい味出していた。 冷戦時代にはスパイ小説の題材に事欠かなかっただろうけれど、冷戦が終結し、世界情勢が流動する中で、テーマの設定とか、対象となる敵をどこに持っていくのか、新たなジェームズ・ボンドの物語をつくっていくというのはかなり難しいだろうとは思う。 そういう点では頑張って作っていたと思うけれど、 気合入り過ぎて、欲張りすぎて、あれこれアイデア詰め込みすぎたのかな(オペラ劇場での悪の組織が行う幹部会議っていうのも、ここまで凝らんでもいいやろうって思ってしまった)、 アクションシーンなんかも頑張って演出しているなって思うんだけど、ボンドが悪を追い詰めていく緊張感がなぜか伝わってこなかったなぁ。
by mchouette
| 2009-02-05 00:00
| ■映画
| |||||||||
ファン申請 |
||