![]() by mChouette 検索
カテゴリ
全体 ■映画 =映画:あ行 =映画:か行 =映画:さ行 =映画:た行 =映画:な行 =映画:は行 =映画:ま~わ行 ■映画・雑記 ■ドラマ ■展覧会・コンサート ■一冊の本 ■徒然なるままに… ■美味しいもの ■アウトドア・旅 ■勝手にバトン ■ご挨拶・お知らせ 未分類 最新の記事
その他のジャンル
|
CHE: PART ONE ![]() 原題が「CHE: PART ONE」とあるように2部構成で制作されている。 今回の第一部「チェ 28歳の革命」は、親しみをこめてチェと呼ばれたゲバラことエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナがフィデル・カストロと出会い、キューバ革命に身を投じたゲバラ28歳から31歳までを描いている。 ゲリラ戦で政府軍と闘うゲバラ、そして実質の勝利となった1959年ハバナ制圧までを描いたカラー映像と、それと交錯するように挿入されるモノクロ映像は、革命政権樹立後の1964年、キューバ代表としてニューヨークで開催された国連総会に出席するゲバラをドキュメンタリー風に撮った映像。 ゲバラの歴史に残るスピーチを、迫真の演技でデル・トロが演じていた。 「すべての戦争を内乱へ」というゲバラのスローガン。 「この戦いはクーデターではない。革命だ」と作中でもゲバラが兵士たちに向って語るシーンがあった。 大国にコントロールされることなく、腐敗しきった政権を倒し、真の独立国家を作り上げるのが彼らの目指す革命であり、アメリカ資本と手を結んだフルヘンシオ・バティスタ軍事政権から、カストロやゲバラが数年にも及ぶゲリラ戦でその主権を勝ち取った。 若き日のゲバラはカストロに、キューバ革命が成功したら故国アルゼンチンでも革命を起こしたいと語っていたという。同じような革命を他の国でも起したいとも語っていたという。 ホーチミンがフランスの植民地支配からベトナムを守ったような闘いを、世界であといくつか必要だ。そう語っていたという。 ベトナム戦争に対する反戦運動とも絡み合い、「帝国主義粉砕」を叫び先進諸国の若者たちの間で瞬く間に広がった学生運動。そんな革命闘争の時代にあったいわゆる68年世代といわれる1968年という時代。今は2つの国に分裂してしまったチェコスロバキアと呼ばれた国で、後にソ連軍の軍事介入よって制圧される「プラハの春」と呼ばれる変革運動が起きた年でもある。 「すべての戦争を内乱へ」というゲバラのスローガンは、ゲリラ戦で民族解放を掲げアメリカ軍と闘うベトナムの兵士たちの姿とも重なり、帝国主義粉砕を叫んだ若者たちの心を掴み、ゲバラは、あのイラストとともに、革命の象徴として熱狂的に受け入れられたのだろう。60年後半から70年にかけてカーキー色とアーミージャケットが流行したっけ デル・トロと比べても数段カッコいい実物のゲバラ。その風貌もあっただろう。ゲバラのイラストが入った商品は廃れることなく巷に溢れ「かっこいい男」の象徴として、今はあるのだろうか。 今もなおゲバラのイラストは廃れることななく一人歩きしている。よく知られているゲバラの写真だ。 ![]() 喘息という持病を抱えながら医学生だったエルネスト・ゲバラが、友人と二人で南米をバイクで旅したことは、ロバート・レッドフォード総指揮、ウォルター・サレス監督の「モーターサイクル・ダイアリーズ」で描かれている。若き日のゲバラを演じたのはガエル・ガルシア。 この旅で最下層の人々やハンセン病患者らと出会い、中南米の現実を眼の辺りにしたことが、医学の道を目指していた一人の青年を革命に目覚めさせたと言われている。 映像で国連会議出席のため訪米したゲバラのインタビューシーンがある。 「あなたにとって革命の原動力は何ですか?」という問いに、ゲバラは「愛だ」と答えていた。 ここから更にゲバラの実像に肉薄して欲しかったと思う。 医学を目指していた一人の青年を、激しいゲリラ闘争に駆り立てたものは何だったのか? 「祖国か、死か」 そう叫んで更なる闘争へと彼を向かわせた「革命」という言葉にある熱きものが、映像から感じ取れなかった。 キューバ革命そのものよりも、革命に生きたゲバラを描こうとしたからだろうか。 本作の中には自分たちが勝手に作り出したエピソードやストーリーは1つもないとソダーバーグは断言する。今世紀最大のカリスマと大々的に本作について謳われているチェ・ゲバラ。キューバ革命を知らなくともゲバラは知っている人も多いだろう。カストロ以上にゲバラの名前は浸透しているだろう。必要以上にドラマチックに描きたくなかったというのがソダーバーグの本作に対する考えなのだろう。 しかし、映画とは、丹念にリサーチした中から、語られないもの、浮かび上がってこないものも掬い取り、映像として語ることにあるんじゃないのかって思う。 そこに監督の人間性とか描こうとするものに対する意識とか、果ては思想まで問われるものだろうと思うのだけれど。 革命に向わせる力は「愛」だと答える一方で、革命達成の一ヶ月後、旧バティスタ派の人々に対する裁判が行われ、600人もの人が処刑された。そしてゲバラはその処刑の責任者を務めている。 「これはクーデターではない。革命だ」と映像でゲバラは兵士たちに語っている。 そのための処刑も辞さないということだろう。 流血なくして革命はならずだろう。 ゲバラは恐らく熱烈なるマルクス・レーニン主義者だっただろう。 そして純粋に革命を目指していたのだろう。 理論派であると同時に過激な武闘派でもあっただろう。 それはまたゲバラの情熱と純粋さの表れともいえるだろう。 決して策略家でもなかっただろう。 熱く今を生きた男だっただろう。 それがカストロと決定的に違っていた点だろう。 革命終結後、急速にソ連に近づいていったカストロと袂をわかった。 私はそう思う。 第二部「チェ 39歳別れの手紙」 ソダーバーグはゲバラをどのように描いているのだろう。 映像では建前えのゲバラしか描かれていないような、そんな燻りを感じた。 今世紀最大のカリスマと言われるチェ・ゲバラと呼ばれた一人の男を解体し、ソダーバーグが再構築したゲバラ像を描いて見せてほしかったと思う。 一人の青年を革命闘争に投じさせた、彼の心に燃えていたものを見せて欲しかったと思う。 とまあ、若い時代を通り過ぎた今の私は映画を観ていて思ったことをつらつらと書きなぐってしまったけれど……。 恐らく、ソダーバーグはゲバラが生きた時代にまだ生まれていなかった若い世代に向けてこの映画を発信したかったのだろうとも思う。 熱い愛でもって苛酷なゲリラ闘争に生き、強い意志と信念をもって革命に生命をかけ、そして燃えたゲバラという一人の男。 単なる英雄伝的な作品にはしたくなかったのだろう。 けれどゲバラの中の、そして時代に流れていた熱い鼓動は描いて欲しかったと思う。 こうしてムキになるのも、ゲバラという人物は、すでにエルネストという実在の人物を離れ、偶像化され捏造されたものも大きいと思いながらも、私の中にも熱いものを沸き起させる作用をもつ存在なのだろうか? 28歳という年齢はちょっと辛いところはあったけれど…デル・トロの演技には拍手をおくりたい。
by mchouette
| 2009-01-12 00:00
| ■映画
| |||||||||
ファン申請 |
||