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CARRIE
1976年/アメリカ/98分 監督: ブライアン・デ・パルマ 「激突!」で気をよくした乗りもあって、WOWOWで放映されていた「キャリー」を久々に鑑賞。 ホラー映画の金字塔などとされているけれど、この映画って残酷で、美しくって、とっても悲しくって、そして青春映画でもあるなって思う。 エイミー・アーヴィング演じるスーが涙ぐみながらキャリーのお墓に花を手向けようとするシーンなどは、キャリーの悲劇を思うとウルッと切なくなってしまう。そんな瞬間、地面の下から……やっぱり最後は恐さを見せてくれるけれど、そんなラストの映像にも、異端者としてみんなから弾き出されたキャリーのズタズタに引き裂かれた彼女の心の痛さが、やはり悲しいと思う。 スピルバーグの「激突!」もそうだけど、ブライアン・デ・パルマの本作「キャリー」のこんな映像演出は、やっぱり上手いよなってつくづく思う。 ジョン・トラヴォルタやウィリアム・カットの若さには、今となってはつい微笑んでしまうし、キャリーを演じたシシー・スペイセクは何歳になっても、彼女のこの空気は変わらないなって思う。この時はみんな映画界入りしたばかりの若手新人。 ブライアン・デ・パルマは本作で、シシー・スペイセクから、彼女が以降の作品で見せるキャラクターや雰囲気の全てを本作で確実に引き出したというべきか、あるいはシシー・スペイセクの中にすでにそれだけの引出しを確実に持っていたというべきか、これが彼女そのものなのか。 芯が有るのか無いのか、少女か女かどっちでもあり、どっちでもない、つかみ所のない、柳のように風にそよぎながら、その実しっかと根を張っている…かもしれない、そんな掴み所のない雰囲気。 本作キャリーは17歳の高校生役を27歳のシシーが、何の違和感も起こさせず演じていた。卒業パーティで見せた笑顔は、無垢な少女がキラキラする世界を初めて見たそんな憧れに似た表情はセブンティーンそのもの。 テレンス・マリックの初監督作品の「地獄の逃避行」 (1973)でも15歳の少女を演じていた。 そんな本作のキャリー役はシシー・スペイセク以外には考えられないほど適役だと思うけれど、以前、彼女がアカデミー主演女優賞を受賞した「歌え、ロレッタ愛のために」 (1980)で書いたけれど、彼女の作品で好きなのはロバート・アルトマン監督の「三人の女」(1977)のシシー・スペイセク。 世間知らずの小娘のようにみえるシシーが、ホワンとしたつかみ所のない雰囲気で、ウィルスかアメーバーのように、シェリー・デュヴァルの領域に侵食していく様などは、シシー以外にはいないと思う。 ↓「歌え、ロレッタ愛のために」 共演のトミー・リー・ジョーンズと。 若い頃のトミー・リーはジョシュ・ハートネットと似ている。 それからキャリーの母親役を演じたパイパー・ローリーも凄い。 夫に捨てられた彼女は、セックスに繋がるものは全て罪だとキャリーに教え込み、生理も不浄のもの、罪の徴と詰り、宗教に憑かれた母親役を演じていて、シシーとみせるやり取り、特に母親のあの最期のシーンなどは、凄くてやはり美しいシーン。 スピルバーグではないけれど、ブライアン・デ・パルマなども本作の映像などを見ていると、ハングリー精神旺盛な時だったんだろうなって思う。 1970年代という時代そのものが、若者がまだまだ元気だった時代だったのかも知れない。
by mchouette
| 2008-11-28 00:00
| ■映画
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