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2008年/日本/130分
at:梅田ピカデリー ![]() 第32回モントリオール世界映画祭で 最高賞のグランプリ受賞したというニュースがまだ記憶に新しい。 遺体を清め棺に納める「納棺棺」という言葉を初めて知った。 チェロ奏者の大悟が所属していた楽団の突然の解散でチェロで食べていく道を諦め、妻を伴い、故郷の山形へ帰り、納棺師になるという物語だ。 地方では、まだこうして遺族が見守る中で、納棺師が遺体を清め納棺するという風習があるのだろう。 実家では曾祖父、曾祖母、父、祖母と葬儀を経験しているが、こんな風に目の前で納棺を見守ったことはなかった。 自宅での葬儀は、とにかく遠い親族までが一堂に集まり、通夜から葬儀まで、葬る側は悲しみ以上にあれやこれやとてんてこ舞いというのが正直な感想だ。 葬儀会館での告別式も、会館によったら数件の葬儀が一度にというのもあった。 生きるのも忙しないご時勢なら、死の場面でも忙しなくなってきている。 死を悼み、弔う思いはあるものの、どこか時間に追われて慌しく終っていく。 だからだろう。 この映画をみて、山崎務と本木雅弘それぞれがみせる静かな清めの姿に、「死者を葬る」とは本来、静かに慈しみをもって執り行われるものなのだと改めて思う。 兄嫁の郷里が福井で、兄嫁の母の葬儀にいったとき、「清拭湯かん」をみたことがある。 遺体を棺に入れる前に、生前に来ていた衣服を脱がせ、たらいに湯に入れて遺体を洗い清め、死装束に着替えさすというものだが、周りには見えないように近親者が車座になって遺体を囲み湯かんをするのだが、ときおり足などがみえ、今井正監督の「越後つついし親不知」の映画で観たまんまの光景が目の前で行われており、正直これには驚いた。 しかし、近親者一同で死者を清め弔い死出の旅立ちの身支度をすることで、遺族はその死を静かに受け止め、癒されていくのだろう。 清拭の時間とはそういうためのものでもあるのだろう。 全てが豊かになり、移動時間も短くなり、何時でも、何処でも自由にいけるようになった現代社会で、ゆっくりと噛み締め、溶かしていく時間すらも短くなり、その中で人の思いも、追われるように必死についていかなければならなくなってきている。時には置き去りにされたまま、折り合いをつけていく。 本来あるべき時間。 本来あるべき思い。 そんなことを思い出させてくれた映画。 そして大悟が、死者が生きてきたその人生そのものを慈しむように行う納棺という行為を通し、彼もまた彼の人生と向き合い始める。断ち切った父との絆を取り戻していく彼の心の旅に、涙と共にふわんとした温もりさえ感じさせてくれる。 そして、全編に流れるチェロの音色がこれほどまでに胸に深く染み渡るとは…… チェロ独奏は古川展夫さん。 監督: 滝田洋二郎 製作: 信国一朗 プロデューサー: 中沢敏明 / 渡井敏久 エグゼクティブプロデューサー: 間瀬泰宏 脚本: 小山薫堂 撮影: 浜田毅 美術: 小川富美夫 編集: 川島章正 音楽: 久石譲 出演: 本木雅弘/ 広末涼子/ 山崎努/ 余貴美子/ 吉行和子/ 笹野高史/ 杉本哲太/ 峰岸徹
by mchouette
| 2008-09-20 22:55
| ■映画
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