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COAL MINER'S DAUGHTER
1980年/アメリカ/125分 カントリー&ウエスタン歌手のロレッタ・リンの半生を描いた作品。 原題:COAL MINER'S DAUGHTER…炭鉱夫の娘 アメリカ・ケンタッキー州、アパラチア山脈沿いの山間地の貧しい炭抗町ブッチャー・ホラーで、炭鉱夫の父のもと、8人兄弟の長女として生まれたロレッタが、14歳になる前に、軍隊帰りの青年ドゥーリトル・リン(トミー・リー・ジョーンズ )に見初められて結婚。18歳で既に4人の子供の母親となった彼女の楽しみは子供たちに歌を歌ってやること。「君の歌が好きだ」そういって夫が結婚記念日にプレゼントしてくれたギターで歌を歌い始め、歌うことに夢中になる。そんなロレッタの才能を信じる夫とともに、プロの歌手になる夢を胸に向かってレコードを制作し各州のラジオ局を回る。彼女の歌はたちまちヒットチャートを昇りつめる。グランド・オール・オープリーで演奏することを目指して、音楽の聖地ナッシュビルへ……。一躍スターの座に踊り出て、成功した彼女を待っていたのは家族と離れて休みなくツアーを続ける日々だった………。 ![]() ロレッタ役のシシー・スペイセク。全くシシーの年齢不詳ぶりは本作でも見事。 1949年生まれの彼女は撮影当時は30歳だったろう。そんな彼女が13歳の炭鉱で暮らす少女を演じていても、その素朴で浮世離れした雰囲気から違和感は感じられず、それからスターの座に上りつめ化粧をしステージ衣装を身につけて歌うロレッタまで演じ、そして作中のロレッタの歌は、シシーが全篇吹替えなしで歌っているというから見事! シシーの演技と、彼女の少しハスキーで柔らかい歌声にも聞き惚れた125分。 夫役のトミー・リー・ジョーンズはシシーより3歳年上。今では缶コーヒーのCMの彼の顔にすっかり馴染んでしまっているけれど、彼にもこんな若い時があったんだって、当たり前のことながら若い彼の姿にちょっと驚く。 ステージ・ハズバンドとしてロレッタのツアーに同行する彼が、時には派手な赤いウェスタンシャツを着たり、時にはスーツの下にフリルフリフリのシャツを着たり、ちょっとおかしくなる。でもロレッタがスターになり、取り巻きができ、どんどん自分の出る幕がなくなった彼は、ツアーから外れ、子供たちのいる我が家に戻り、自動車修理工をやったり、牧場をやって、彼なりに自分の道を模索する。ハーバード大学卒業の頭脳明晰な彼に向かって失礼だけれど、素朴なワーキング姿の方が似合っている。 ↓「依頼人」(1993年)の時のトミー・リー・ジョーンズ。ここから皺をとり13歳若くしたら本作のドゥになる。ジョシュ・ハートネットとスティーヴ・マックィーンをブレンドしたみたいな顔。 ![]() 夫や子供たちと離れ孤独な日々と過密スケジュールに疲れ果て押しつぶされたロレッタは、歌うべきステージで虚ろな眼で自分の半生を切々と語り、泣きながら「私のドゥ、どこにいるの」と夫を求めるシシーの迫真の演技のこんなシーンには涙ぐんでしまうけれど、そんなロレッタを夫のドゥは受けとめ抱き上げてステージを後にする……。 ステージに復帰したロレッタが、愛する父と母、そして自分のいる場所を歌い上げた「COAL MINER'S DAUGHTER/炭鉱夫の娘」……シシー・スペイセクのライブ・ステージを観ているようなラストは感動的。 一目ぼれしたドゥの猪突猛進なアタックから始まり、「結婚しよう」「いつ?」「明日」そんな性急な二人の愛、デリカシーのないドゥとの初夜、ステージに立つロレッタに「化粧をするな」「私の好きにするわ」激しい夫婦喧嘩もあるけれど、そんなロレッタを愛し、大きな腕で彼女を受けとめるドゥの大きな愛情に包まれたロレッタの半生。 そして冒頭部分で描かれているロレッタの家族の物語も素敵だ。結婚したいというドゥに父親は「二つだけ約束しろ。一つはロレッタを殴るな。もう一つは遠くへ行くな」こんな言葉に、父の娘への愛と、嫁がす娘に対する父の思いが感じられる。 ドゥはこの約束を二つとも破るのだが。炭鉱を捨てケンタッキーにロレッタを連れて行ったためにロレッタは父の死に目に会えなかった。そのことを悔いるドゥ。父の墓の周りの木をブルドーザーで切り倒し、これで歩きやすくなるだろうと、ドゥなりに無骨な愛情でロレッタを労わる。 157cmというアメリカ女性としては小柄なシシー・スペイセク。彼女の幼女のような無垢と頑固さ、そしてトミー・リー・ジョーンズの無骨な愛情がうまく絡み合い、夫婦の間の紆余曲折はあるものの、小気味良いテンポでカラリと晴れ渡ったケンタッキーの山々のように爽やな物語に仕上がっていて、あったかい感動を覚える作品。 All Songs Sung by Sissy Spacek & Beverly D'Angelo シシー・スペイセクと共に、ロレッタが尊敬する歌手パッツィ・クライン役のビヴァリー・ダンジェロも共に吹替え無しで歌っていて、ロレッタと違い、ビヴァリー・ダンジェロは大人の女のしっとりとした情感のある歌いっぷり。どちらも聴き応えがある。演技も歌も半端じゃない、ハリウッドの役者の底力でしょうか。 本作でシシー・スペイセクは1980年度の各映画賞で、アカデミーの主演女優賞、ゴールデングローブのコメディ/ミュージカル部門女優賞、全米批評家協会賞の主演女優賞、NY批評家協会賞とLA批評家協会賞の女優賞などで各賞を総ナメにし、アカデミー賞では主演女優賞以外に、作品のタイトルソングで披露した歌声が「ベスト・カントリー・ヴォーカル」部門でもノミネートされている。 シシー・スペイセク…彼女の個性をいかした主演作品に恵まれないのが残念でならない。 *ロバート・アルトマン「三人の女」(1977)のシシー・スペイセク(下)とシェリー・デュバル ここでも彼女の世間知らずなふわふわとした、でも実は……といった役どころ。見事でした。 好きな作品。 ![]() トミー・リー・ジョーンズは映画賞にはノミネートされなかったものの、ロレッタを愛し、支える夫役をとても情愛深く演じていて印象に残る。 しみじみと感動できる素敵な作品でした。こんな作品観るとカントリーソングも悪くはないなって思う。 余談だけれど、ロレッタ・リンは米国の芸術分野における多大な貢献が認められた人に贈られるケネディー・センター名誉賞を、2003年に受賞している。 監督: マイケル・アプテッド 製作: バーナード・シュワルツ 原作: ジョージ・ベクシー 原案: ロレッタ・リン 脚本: トム・リックマン 撮影: ラルフ・D・ボード 音楽: オーウェン・ブラッドレイ 出演: シシー・スペイセク(ロレッタ) トミー・リー・ジョーンズ (ドゥーリトル・リン) ビヴァリー・ダンジェロ (パッツィ・クライン) レヴォン・ヘルム (テッド) フィリス・ボーエンズ (クララ)
by mchouette
| 2008-03-01 00:00
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