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「マグナム・フォト 世界を変える写真家たち」の公開記念として、シネ・ヌーヴォXでは上映された写真家に焦点を当てたドキュメンタリー映画5作品のうち3作品の感想をあげた。
アンコールワット一番乗りをめざし戦場の最前線に挑んでいった一ノ瀬泰造を語った「TAIZO」(2003年) 写真集『決定的瞬間』で写真の世界に多大な影響を与えた20世紀最大の写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンが、自身の人生と作品を自ら語った貴重なドキュメンタリ 「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」(2003年) そして 20世紀を駆け抜けた報道写真家ロバート・キャパを語った「CAPA in Love & War」(2002年) 絵画も好きだけれど、その瞬間を切り取った写真が好きだ。 映像そのものが好きなんだろう。 キャパは18歳でスクープをものにし、ブレッソン、一ノ瀬泰造、みんな10代の早い時期から写真の魅力に憑かれている。 ロバート・キャパのボスは18歳の彼にライカを渡し、トロツキーの撮影に行かせ、キャパは立派にその要請に応えスクープを撮って帰ってきた。 映画監督のスタンリー・キューブリックも少年の頃から写真に興味を持っていた少年だったそうだ。 14歳の時、学校に行く途中でルーズベルトの葬儀に出会った彼は「いい構図だ」といって持っていたカメラで葬儀の列の写真を撮り、学校へは行かず、そのまま家に帰り自宅の暗室で現像し、すぐさま雑誌社に持ち込み、雑誌社はその写真をキューブリックから買取り、その場で彼と契約したそうだ。 通信網が発達した現代と違い、写真は、その時の瞬間の出来事を報道する貴重な一枚だったのだろう。それにしても、10代で既に彼らはプロの片鱗を見せ、大人と同等に仕事をしている 日本でも昔は15歳で一人前とみなされ、元服の儀式が行われた。 アンリ・カルティエ=ブレッソンも早くから写真に親しんでいたという。ただ彼は当初は画家志望で、本格的に写真に取り組んだのは20歳を過ぎてからだが…。 半世紀前、彼らは既に10代で自らの進むべき道をしっかりと固めながら生きているということ。 日本で、今、成人の年齢を20歳から18歳に引きさげる検討がされている。 今、日本の18歳の若者達は何を考えているのだろうか。 8月15日も知らない若者が増えているという現実。 これらのドキュメンタリー作品を観ながらそんなことも思った。 ……………………………………………………………………… さて、上記のほかに鑑賞した、写真家に焦点を当てたドキュメンタリー作品は2本…… 受け止めきれなかったので、概要と一言感想で紹介しておこう。 「SELF AND OTHERS」 2000年/日本/カラー/53分 監督:佐藤真/撮影:田村正毅/声:西島秀俊、牛腸茂雄/スチール:三浦和人 幼少(3歳)から脊椎カリエスを患い、以後病気と闘いながら36歳の若さでこの世を去った牛腸茂雄(ごちょう しげお)について、牛腸ゆかりの地にたち、残された草稿や手紙と写 真、肉声をコラージュし、写真家の評伝でも作家論でもない、彼の心象風景を映像化したような作品。 ちょっと私には、受け止めきれない世界だったので感想はパス。 監督の佐藤真氏は本作について 「誰かが見た夢のような映画をねらった。牛腸茂雄さんの写真は牛腸しか人間関係が分からない私的な世界なのに私たちとも関係があるように見えてくるという不思議な世界。映画もそんな作品にしたかった。あまり難しいことは考えず、ボーッと見てもらえればうれしい。」(2000年2月13日)と語っている。 私は、ボーッと観ていて、つい、うつらうつらしてしまったけれど……。 作品タイトルにもなっている彼の写真集「SELF AND OTHERS」は日本写真協会新人賞を受賞している。コンポラ写真の代表的な作家だそうだ。コンポラ写真というのも良く知らない。 もう一作は 「カメラになった男 写真家 中平卓馬」 2003年/日本/91分 監督・撮影:小原真史/音楽:ブリジット・フォンテーヌ/演奏・歌:宮良康正/詩・朗読:高良勉 1970年前後に、カリスマ的な写真表現の旗手として脚光を浴びた中平卓馬の現在を追うドキュメンタリー。中平はその先鋭的な写真と言葉によって、当時の若者らに大きな影響を与えていたが、1977年に病いに倒れ、過去の記憶と言葉の大部分を失った。以後、「伝説の写真家」と呼ばれ、表舞台から姿を消した。その後の中平は、20年以上毎日、横浜の自宅周辺を撮り歩く行為を続けている。ファインダーを通して、失った記憶と言葉を取り戻そうとする そんな彼の日常に3年間密着取材した作品。中平卓馬というカメラマンを知る人には、何かを感じさせるものがあるのだろうけれど、彼を知らない私には、やや躁的な彼の言動に痛々しさを感じる。感想はパス。ただ、彼は被写体に向かってシャッターを切るのはたった1回だけ。それでヤッターというポーズをする。これは感心した。
by mchouette
| 2008-02-15 00:00
| ■映画
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