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LE CHARME DISCRET DE LA BOURGEOISIE
1972年/フランス/102分 ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」を久々に観て、気分をよくしたついでに、彼の晩年作で面白くて気に入っている「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」を観る。やはり楽しい。 ブニュエルの作品は… スペインでダリと組んで映画を撮ったシュールレアリズムの時代。 スペイン内戦後、メキシコに亡命したメキシコ時代。 そしてスペイン、フランスへの復帰してから以降晩年までの1960年以降の時代。 3つに大きく分けて捉えられているようで、本作は亡命先のメキシコから戻ってきてから、遺言3部作と称されるものの第1作目。次いで「自由の幻想」「欲望のあいまいな対象」を製作している。 ![]() 裕福な階層の3人の紳士と3人の淑女。6人が食事をとるために集まるけれども、いつも何らかのアクシデントがあって食事が中断してしまうという物語。 何もない、どこまで続く田舎道を歩き続ける彼ら6人の姿が何度か挿入される。辿りつけない美食の晩餐と情事、秘かな愉しみ、ひたすら追い求める彼らの姿。そんな彼らはなんと不感症で怠惰な表情をしているんだろう。 中断、逸脱、夢の挿入などを通してブルジョワジーといわれる彼らの実像が浮かび上がってくる。シニカルに、かつユーモラスに描いているけれど、夢と現実のせめぎあい。幻想の破壊。階級意識や国家権力に対するブニュエルの批判精神。映像に漲っていものはかなりラディカルだ。 28歳で「アンダルシアの犬」を制作し、それから50年経っても衰えぬ切れ味の良さ、権力に対する鋭い批判。さすがと思う。 ブルジョワジーを演じる役者たちがそれぞれに個性派ぞろいなのも楽しい。 1972年のアカデミー外国語映画賞を受賞作品。 いつも仲良くつるんでいるブルジョワ仲間6人のメンバーは…… セネシャル(ジャン=ピエール・カッセル) …息子はヴァンサン・カッセル。横顔と目元の表情が重なるのは、やはり親子。 セネシャル夫人(ステファーヌ・オードラン) デブノ(ポール・フランクール) デブノ夫人(デルフィーヌ・セイリグ) ミランダ共和国の駐仏大使ラファエル(フェルナンド・レイ) デブノ夫人の妹フローレンス(ビュル・オジェ) ![]() 彼らがどんな風に食事にありつけないか…… 紳士の一人ラファエルは、ミランダ共和国の駐仏大使で、外交特権を悪用して麻薬の密輸を行い、それにセネシャルとデブノが噛んでいる…そんな関係でつながっている紳士たち。 そこにセネシャル夫人、デブノ夫人、デブノ夫妻の妹。 セネシャル夫妻が招待した日を忘れたか、他のメンバーの勘違いで晩餐のテーブルにつけなかったことから始まって、ではと、行った先のレストランではオーナーが急死し店の奥で葬儀が始まるというので早々に退散し、改めてセネシャル夫妻が皆を招待したけれど、夫妻は皆を待たせて自分たちのセックスを優先するわ、食事に来ない夫妻に、ラファエルとデブノはもしや麻薬密輸が密告されたのでは、と勘ぐって早々にセネシャル邸を退散する。 淑女たちがお喋りに集まったカフェでは、注文した飲み物がことごとく品切れ。「いったい何があるの? まさか水も?」「それはございます」といった具合。 おまけにカフェにいた青年中尉がやってきて、幼年学校に入る前に、死んだ母の亡霊が現れ、父を毒殺したという話を聞かされ、すっかりお茶する気分がそがれる始末。 ラファエルはデブノ夫人との情事にワクワクするけれどデブノが訪問してきてお預け状態に……。 仕切り直してセネシャル邸で晩餐の途中、演習でセネシャル邸に駐留する軍隊が1日早く到着してしまい、おまけに伝令を持ってきた兵士が、親しかった人間の亡霊たちに出会った夢を聞かされ、すっかり食欲が失せてしまう。 軍隊が突然訪問したことのお詫びにと大佐が自宅の晩餐会に皆を招待する。 招待の日、彼らが晩餐の席に着くと幕が開き、そこは舞台の上だった。驚く彼らと、客席からの野次。「セリフを知らない」と焦るセネシャル……と、これはセネシャルの夢だった。 大佐の家で晩餐の席。話題はミランダ共和国の汚職と独裁に満ちた内政が…。あげく大佐の侮蔑的な言動にラァエルは大佐を銃で殺してしまう…と、これはデブノの夢だった。 セネシャル邸で昼食会。さあ、食事というときに警察がやってきてラファエル、セネシャル、デブノーを麻薬密売の容疑で逮捕する。女性までも巻き添えを食って全員留置所に…。 しかし、ラファエルが外交特権を発揮し、内務大臣に連絡を取り、全員は釈放される。 今度こそ優雅にセネシャル邸で晩餐をと、その時、テロリストたちが襲撃してきて…一人テーブルの下に逃げ込み肉の塊をかぶりついていたラファエルもみつかり…全員射殺される……と、これはラファエルの悪夢。 セネシャル邸の庭師にリクルートしてきた司教の物語も意味深だ。 原案、脚本共にルイス・ブニュエル。よくもここまで発想できたなと思うほど。喜劇仕立てになっているけれど、彼らの虚像と実像をみごとに抉った超ビターなテイスト。 久々に観てやっぱり面白い。 監督: ルイス・ブニュエル 製作: セルジュ・シルベルマン 原案: ルイス・ブニュエル/ジャン=クロード・カリエール 脚本: ルイス・ブニュエル/ジャン=クロード・カリエール 撮影: エドモン・リシャール
by mchouette
| 2007-12-21 16:54
| ■映画
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