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UN CHIEN ANDALOU
1928年/フランス/17分 フリッツ・ラングの「メトロポリス」に続いて、これも1920年代の作品。 ルイス・ブニュエルの映画監督デビュー作「アンダルシアの犬」 サルバドール・ダリと二人で脚本を執筆した共同制作。 ブニュエルについては、世界を驚かせたシュルレアリスム映画作家だとか、過激なブラックユーモアを駆使するヨーロッパ一危険な映画作家だとか、と言われているけれど、確かに、映画デビュー作「アンダルシアの犬」の冒頭で、剃刀で眼球を静かに切裂いて(死んだ子牛の目を用いたそうだ)……といったこんな映像を見せられたら、この映画を語るときいつもこのシーンだけがクローズアップされて語られるから、こんな言葉が独り歩きしているようなところもある気がする。ブニュエルの映像は、独特のリズムと間が観るものを惹きつける。とても魅力的だ。 満月を裂くように、すっと一筋の雲が月を横切り……瞼を指で大きく見開かれ、剥き出しになった眼球を剃刀がすっと横に切り裂く。どろりと溢れる液体。 現実の裂け目から、夢という形で人間の奥底の本能が溢れだすイメージだろうか。それとも男が女に対し抱いている一つの暴力性をイメージした映像だろうか。 夢という無意識の世界から生まれるイメージが繋がっていき、一人の男のストーリーを覆っていく。心の奥底に蠢くもの、衝動と、現実との鬩ぎあい、死の影が漂い……。ブニュエルが映画製作を通して追求していこうとしたテーマだろう。 ![]() 手のひらに群がる蟻。グランドピアノを引張っていく男は、十字架を背負うキリストの図だろうか。グランドピアノの上に横たわるロバの死骸、そして更に二人の修道士が繋がれ引きずられていく……。小気味の良い音楽に乗って展開される映像を、ほけ~っと、じぃ~っと見ている間に終わってしまって、こんなシーンが、断片的に、案外と記憶に焼きついている。15.6分の短い映像。無声映画。 本作の脚本は、マドリードの下宿で知合いとなったサルバドール・ダリとルイス・ブニュエルが、お互いに自分の見た夢について話をしたことがきっかけで、これを映画にしようとダリが提案したことが、この映画製作の始まりだそうだ。 二人で6日かけてシナリオを完成させ、その後ブニュエルが15日かけて撮ったとのこと。 互いのイメージが連鎖反応で次々と言葉になって出てくる作業では、さぞやおどろおどろしさが充満していたことだろう。それをわずか15分ほどで一つのストーリーとして描き出し、観るものの想像力をかきたて、その映像に説得力を感じる。 思い出したように、無性に観たくなる作品でもある。 本作の好評に気をよくして、そのダリとブリュエルは「黄金時代」を制作するけれど、右翼がスクリーンに向って爆弾を投げつけるという事件が起きて、その後50年間「黄金時代」は公開禁止の憂き目にあう。この後二人の間にいろいろあったようで、ブニュエルは映画の道、ダリは絵画の道へと分かれていく……。 本作の冒頭シーンで、煙草をくわえ剃刀を研いでいる男がブニュエル。ダリの方は主人公の男に引き摺られていく修道士の一人として登場している。 ![]() 本作はよく分からない言い訳に、シュールな世界はキライな映像でなかったら、シュールなままで受け止めるのがいいなどと勝手に思っている。 ![]() ただ、映像に漂う不穏な空気と死の影に、その数年後にはスペイン内戦に突入する時代の空気まで読み取ってしまうのは深読みしすぎだろうか。 今回はビデオをレンタルしたけれど、無声映画だけれど、かなり雑音がひどく、次に観たい時はもうビデオテープが消耗してレンタルショップからは無くなるかも知れない。 「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」も鑑賞 監督: ルイス・ブニュエル 製作: ルイス・ブニュエル 脚本: ルイス・ブニュエル/サルバドール・ダリ 撮影: アルベール・デュベルジャン 出演: ピエール・バチェフ シモーヌ・マルイユ ハイメ・ミラビエス サルバドール・ダリ ルイス・ブニュエル
by mchouette
| 2007-12-20 00:00
| ■映画
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