![]() by mChouette 検索
カテゴリ
全体 ■映画 =映画:あ行 =映画:か行 =映画:さ行 =映画:た行 =映画:な行 =映画:は行 =映画:ま~わ行 ■映画・雑記 ■ドラマ ■展覧会・コンサート ■一冊の本 ■徒然なるままに… ■美味しいもの ■アウトドア・旅 ■勝手にバトン ■ご挨拶・お知らせ 未分類 最新の記事
その他のジャンル
|
LE TRAIN
THE TRAIN THE LAST TRAIN[米] 1973年/フランス・イタリア/103分 ![]() <物語の結末に触れています> 第二次大戦下の物語「離愁」 原題は「LE TRAIN」「ル・トラン」、英国タイトルは「THE TRAIN」。米国では「THE LAST TRAIN」となっている。 第二次大戦中のドイツ占領下フランス。ドイツ軍の侵攻を逃れて、フランスの田舎へ向かう疎開列車が舞台。 この映画、戦争の悲劇を描いた作品でもあるけれど、やはり最後のこのシーンに尽きるだろう。 何日も何日もギュウギュウ詰めの貨物列車に乗り合わせた人々の様子。そして車窓の風景。 戦争とは思えぬ静かな田園風景があれば、線路に沿って戦火を逃れる人々の行列があり、さらに列車に乗り込む人々。途中で挿入されるドキュメンとフィルム。二度の大戦を味わうヨーロッパの人々の悲劇が、列車に乗り合わせた初老の男が「第一次大戦ですべて終ったはずだ」という言葉に込められている。 空からの機銃掃射が列車に降り注ぐ。戦場に行かずとも容赦なく人々に襲い掛かる戦争の悲劇。極限状況の中の列車を舞台にヨーロッパ戦争の悲惨な状況を見事に描きだしている。 そして、その中で一人の男と女が出会う。 男はベルギーに近い村でラジオの修理業を営んでいるジュリアン。妻は臨月のため娘とともに客席に、彼は貨物列車に振り分けられた。女性はアンナと名乗り、彼女はユダヤ人。新聞社主だった夫は連行されたまま戻らず、両親は強制収用所に入れられ、彼女はナチの手を逃れドイツから脱出してきたという。 そんな絶望と恐怖と閉塞した状況の中で、男と女の間に芽生えた愛。刹那的であるがゆえに忘れえぬ愛。そんな男と女が近づいていく心理描写がじっくりと描かれている。 駅に着き、妻が出産したことを知ったジュリアンはアンナとともに病院まで行く。そしてアンナは黙ってその場を立ち去る。数年後、警察からの呼び出しを受けたジュリアンは、レジスタンスとして捕らえられたアンナと再会する……。 疎開中に身分証明書の提示を求められたアンナを、ジュリアンは妻だと偽って仮の証明書を発行してもらう。それをアンナはずっと持っていたことからジュリアンが疑われて呼ばれたのだった。 ジュリアンとアンナ。 男と女の行き詰るような再会のシーン。 そして、最後のこのシーン。ロミー・シュナイダーの表情。 見事な人間ドラマ。 極限状態とか非日常の空間の中に放り込まれたとき、人は潜在的な何かに目覚めるのだろか。ジュリアンのように。 彼は疎開、戦争という生活の変化の中で、自分の中で何かが変わる予感を持つ。無口で平凡だった自分の人生を、彼はどっかで変わりたいという願望を潜在的に持っていたのだろうか。 アンナが同じ列車に乗り合わせた男から言い寄られたとき、彼はアンナをかばって男に立ち向っていったり、橋の通行を軍から止められたとき、自ら運転を買ってでたり……。 そして自分の中の今まで知らなかった自分を発見したとき、元の平凡な生活に戻り表面はなにごともなく日々が過ぎ去ったとしても、以前の自分とは違うことに気がつく。 そして彼は人生で究極ともいえる選択をする。 ![]() 「暗殺の森」といい、彼はやっぱりこういう映画の、笑わないこういう役がよく似合う。「フリックストーリー」でも殺し屋を演じた彼の存在感には、刑事役のアラン・ドロンはかすんでました。 vivajijiさんとプロフェッサー・オカピーさんから紹介していただいた本作。重厚な人間ドラマであり、戦場だけが戦争ではない、ヨーロッパの悲惨な状況を描いた映画でもある。最後のシーンは切なくて感動。このラストは胸に焼きつくほどに強烈。このシーン、これだけでアンナを、そしてジュリアンを物語っている。 監督: ピエール・グラニエ=ドフェール 製作: レイモン・ダノン 製作総指揮: ラルフ・バウム 原作: ジョルジュ・シムノン 脚本: ピエール・グラニエ=ドフェール/パスカル・ジャルダン 撮影: ワルター・ウォティッツ 音楽: フィリップ・サルド 出演: ジャン=ルイ・トランティニャン ロミー・シュナイダー モーリス・ビロー アンヌ・ヴィアゼムスキー ニケ・アリギ ポール・ル・ペルソン
by mchouette
| 2007-11-16 00:00
| ■映画
| |||||||||
ファン申請 |
||