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![]() ROSSO COME IL CIELO 2005年/イタリア/100分 at:梅田ガーデンシネマ オフィシャル・サイト http://mirco-hikari.com/ 数年前、上映時間6時間6分というイタリア映画「輝ける青春」(2003)を観た。 激動する20世紀後半のイタリアを背景に、ニコラとマッテオという兄弟を中心に、イタリアのごく普通の中流家庭カラーティ家の1966年から2003年までの一家の3世代に及ぶ物語を描いた作品。フィレンツェの洪水、学生運動、「赤い旅団」活動、激変する政治情勢、精神病院廃止……。歴史的な事件を絡めながらの6時間の物語「輝ける青春」。ニコラとマッテオの青春とと私自身重なるものを感じたのもあるだろう、6時間の長さに関わらず夢中になって観れた。特に途中で自殺するマッテオには特に感情が入り彼の姿は痛かった。監督はマルコ・トゥリノ・ジョルダーナ。他にイタリア・マフィアという家に育った一人の青年の自立と抵抗を描いた「ペッピーノの百歩」などがある。兄のニコラ役のルイジ・ロ・カーショ は1978年のモロ元首相誘拐暗殺事件を犯人側の視点から描いた「夜よ、こんにちは」で「赤い旅団」メンバーの一人マリアーノを演じている。モロ元首が遺体で発見された翌日に、兄ニコラが活動に携っていた精神病院廃止の法律が可決された。 そしてこの作品の音響編集(グランド・デザイン)に携わったのが、イタリア映画界の第一線で活躍しているミルコ・メンチカッチ。このことを本作で初めて知った。そして、彼が盲目であることも。彼は故郷トスカーナにレコーディングスタジオを、ローマに音響編集スタジオを設立し、数々の映画のサウンド・デザインを手がけているという。 本作「ミルコのひかり」は、8歳のとき、事故で突然失明してしまったミルコ・メンチカッチが成人して映画界に入りサウンドデザインを手がけるようになった、そんな彼の少年時代の音との出会いを描いた実話に基づいた作品。 両目の視力を失ったミルコは、盲人は普通校に通えないという当時のイタリアの法律に従い、教会が行っている盲人のための全寮制学校に転校。突然の失明、そして親から離れての寄宿舎生活。目が見えなかったら何もできないと、失明した自分を受け入れられず抵抗する。反抗するミルコに教師である神父は人間の持つ「五感」で感じろと教える。視力をなくした代わりに彼の中に眠っていた音に対する豊かな感受性の力が目覚めたのだろうか、映画の音響効果を真似て、自然の中の色んな音、さらには自らイメージする音を作りだし、テープに吹き込み、テープをつなぎ合わせ、音で物語を語る魅力を見つけていく。 盲人は何も出来ないという「不可能の限界」の枠の中で生徒を縛る校長に対し、ミルコの才能を知った教師は「可能性の自由」を訴える。規律を破ったミルコに対する退学処分、そしてそれに抗議する青年たちのデモ。その後、イタリアで法律が改正され盲人も普通学校に通えるようになったとのこと。 キャスティングでは、登場する子供たちは目が見えない子と目が見える子たちが半々で選ばれ、撮影前のトレーニング合宿では、目の見えない子供たちが目の見える子供たちに視覚に頼らずに外の世界を感じる術を教え、感覚を共有していったそうだ。そして主役のミルコ役のルカ・カプリオッティは意思の強い目をしている少年だが、失明してからの演技が見事だった。 ある日突然暗闇に放り込まれた彼の心情を思い、目が見えないことを受け入れられず抵抗する彼、そして両親の姿には胸が痛む。 音をみつけるためあらゆる可能性を試し、自分で何かを作っていこうとするすミルコの姿は、受身で生きてきた盲学校の仲間にも、自分たちの可能性についての光と力を与え始める。不可能なことは何もない。どうすれば可能になるのか。子供たちが秘かに学校を抜け出して、前の子の肩に手をおいて一列になって映画館へ行くシーンなど、何気ないシーンにもふっと涙腺が弛んでしまう。子供たちが中心の作品でストーリー展開も内容もとてもシンプルだけれど、ちょっといい作品に出会えた。そんな小作品。 本作と併行して、脇役の2人の少年に焦点をあてたドキュメンタリー「もう一つの目」を撮り、イタリアでは劇場公開されたそうだ。「次はあそこまで行ってみよう」マイクを通して聞こえてくる彼らの会話に、目の見える者には些細なことが、目の見えない者にとっては大きな挑戦であること。DVDになったときは特典映像として入っていて欲しいと思う。 監督:クリスティアーノ・ボルトーネ 製作:クリスティアーノ・ボルトーネ/ダニエレ・マッツォッカ 脚本:クリスティアーノ・ボルトーネ/パオロ・サッサネッリ/モニカ・ザペッリ 撮影:ヴラダン・ラドヴィッチ 美術:ダヴィデ・バッサン 衣装:モニカ・シメオーネ 編集:カルラ・シモンチェリ 音楽:エツィオ・ボッソ 出演: ルカ・カプリオッティ (ミルコ) シモーネ・グッリー (フェリーチェ) アンドレア・グッソーニ (ヴァレリオ) アレサンドロ・フィオーリ (マリオ) ミケーレ・イオリオ (ジャコモ) フランチェスコ・カンポバッソ (ダヴィデ) フランチェスカ・マトゥランツァ (フランチェスカ) パオロ・サッサネッリ (ジュリオ神父) マルコ・コッチ (エットレ) シモーネ・コロンバリ (ミルコの父 アッキーレ) ロッサーナ・ジェンティーリ (ミルコの母 テレサ)
by mchouette
| 2007-10-03 00:00
| ■映画
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