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![]() LES VOLEURS 1996年/フランス/117分 原題は「泥棒たち」。 原題からフィルムノワール的な作品のような印象を与えるが、人間を洞察し、その心の襞を描き続けてきたアンドレ・テシネ監督が描くのは、パリのある泥棒一家とそこに深く関わりのある人間たちの「親密な関係」。 代々続く泥棒一家の家業を嫌い刑事になり、一家を摘発する側の人間となったアレックス(ダニエル・オートゥイユ)。一家のボスである父親。兄イヴァン。イヴァンの手下で万引きの常習犯ジュリエット(ロランス・コート)。ジュリエットの兄ジミー(ブノワ・マジメル)もイヴァンの手下で、アレックスに捕まり刑務所送りになったことがある。ジュリエットが最も愛する哲学教授のマリー(カトリーヌ・ドヌーブ)。そして、イヴァンとアレックスの父親、イヴァンの妻、イヴァンの一人息子で10歳になるジャスティン。 「親子愛」「家族愛」「兄弟愛」「異性愛」「同性愛」…… そこで描かれる「親密な関係」は複雑で多様な顔をもち、関係を突き破って新しい関係が生み出されていく。 イヴァンが盗みに失敗し射殺されたことを契機に、それぞれの「親密さ」が浮かび上がってくる。時にはアレックスが語り、マリーが語り、少年ジャスティンが語ることで、複雑に絡み合う彼らの心模様が描き出される。 イヴァンの葬儀に来たアレックスは、父や兄に対する確執を露骨に見せるが、兄嫁や甥であるジャスティンに対しては親密さを見せる。兄嫁も一家の者に持たない親密さでアレックスに色々と語る。ジャスティンもまた伯父のアレックスに父や祖父との関係を素直に訊ね、アレックスも素直に応える。そして兄の店で再会した万引き常習犯のジュリエットと愛のないセックスだけの関係を結ぶが、兄の死後、失踪した彼女を「事件の関係者」という理由に、その消息を必死で探し、ジュリエットの行方を探るため、彼女の恋人のマリーと会い、ジュリエットを媒介にして二人は互いに親密さを抱くようになる。 ジュリエットがジミーの伝でマイアミにいることを知った二人だが、彼女をそっとしておくことにした。そしてイヴァンの死後、ジュリエットの兄のジミーがボスの信頼を得、一家と親密な存在となり母と親しくなるそんなジミーを、少年のジャスティンは成り行きとして受け止める。マリーはジュリエットが語った彼女の物語を小説にし、原稿とテープをアレックスに郵送した後、自殺する。 日々の営みの中で様々な顔をした親密な関係、愛の形、それが徐々に形を変えていく様をアンドレ・テシネ監督らしく丁寧に心の襞を広げながら描いている。時の経過とともに変化していく人との繋がりと親密な感情。少年ジャスティンはあるがままに受けとめ、マイアミで暮らすジュリエットは過去と決別したかのように昼間の世界で働き、アレックスはマリーの死によって、二人の間にあった「親密な関係、感情」を素直に受け止める。 マリーは人間関係の移ろいに抵抗したのだろうか、絶対を掴みたくてジャスティンの物語を小説という世界に封じ込めたのだろうか。さらりと描いているけれど、奥が深い作品。人間ドラマとしてサラリと観るもいいし、すこし眼を凝らしてみてもいいし…そんな作品。 随分前にみて記憶が薄れてしまっていたけれど、再見して印象的だったのは、ジミーが少年ジャスティンにカード手品をみせ、そんなジミーをとても親密な表情でみるジャスティン。優しさに溢れた草原の二人の姿がとても印象的だった。そして大人たちの愛憎ドラマの中で、少年ジャスティンのみせる自己主張をもった姿が清々しかった。本作で一番魅力的だったのはジャスティン少年かも知れない。 アレックス、マリー、そしてイヴァンを虜にするジャスティンの魅力がいまひとつ私にはよく分からない。同性愛にあるカトリーヌ・ドヌーヴと、「親密な」関係を描いた入浴シーンがあった。演じたロランス・コートは本作でセザール賞の有望若手女優賞を受賞している。 <写真の雨に濡れた薔薇が、アレックスであり、マリーであるみたい…> 監督:アンドレ・テシネ 製作:アラン・サルド 脚本:アンドレ・テシネ/ジル・トーラン 脚本協力:ミシェル・アレクサンドル/パスカル・ボニツェール 撮影:ジャンヌ・ラポワリー 音楽:フィリップ・サルド 出演: カトリーヌ・ドヌーヴ ダニエル・オートゥイユ ロランス・コート ブノワ・マジメル ファビエンヌ・バーブ ディディエ・バザシュ
by mchouette
| 2007-09-15 00:00
| ■映画
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