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![]() LA DEMOISELLE D'HONNEUR 2004年/フランス・ドイツ/107分 at:第七藝術劇場 映画サイト:http://eiga.com/official/ishinobisyo/ 映像がクレジット画面に切り変わったとき、涙が沸いてきた。 愛に渇望するあまり、狂気ともいえる異常な形にまで歪んでしまったセンタの愛。 「私を愛して。私を見捨てないで」 どれほど愛を求めていたか、センタの寒々とした孤独な心に触れたからだろうか。 そして、そんなセンタを静かに受け止めるフィリップ。 ブノワ・マジメルの静の演技が良かった! フィリップを演じるブノワ・マジメルの抑えた、静の演技が際立っていた。 静かな口調と動きの少ない表情。 ブノワ・マジメルって目が魅力的な役者だって思っていたけど、こんなに目に表情を湛えて演技する役者だったっけ、って彼の役者としての魅力を再発見しました。 父親を早くに亡くした家庭にあって、母と二人の妹にとって、良き息子、良き父、良き兄であるフィリップは、自分を出すよりも相手を受け入れ、感情をあまり表に出すことなく、内向的で誠実な青年。仕事先での信頼も厚い。 キャメラは海岸の埠頭から橋、車道そしてフィリップが住む住宅街へと移動していく。 映し出されるのは街を歩く人々の日常の風景。 そして、長女の結婚、母親の恋人といった出来事があるけれど、フィリップの家庭のありふれた日常が描かれている。 そんな平凡な日常生活の中で、フィリップの心の中にセンタとうい女性が突然に予期せぬ形で入り込む。 危うい愛。崩れていく日常 ずっとあなたを探していたの…… 庭においてある「フローラ」と名づけられた石の少女の胸像を秘かに愛するフィリップ。 フィリップもまたセンタと同じように愛に渇いた心を秘かに秘めていたのだろう。 センタにフローラを重ね合わせるフィリップ。 センタとの愛にのめりこんでいくフィリップ。 そして、徐々にフィリップの日常が崩れていく。 ラスト。センタの中に異常な愛の姿を知ったフィリップは、それを静かに受け止める。 その時を待つかのように静かにベッドでより沿う二人。 こんな愛の姿があってもいいだろう。 これがセンタとフィリップの愛の姿。 ラストの二人のこんな静かな愛の姿に、ふいと涙が溢れてしまった。 シャブロル監督の熟練した演出 監督は77歳のフランスのクロード・シャブロル。 英国のミステリー作家、ルース・レンデルの原作小説を基に、舞台を英国からフランスの地方都市に移し描いた作品。 フィリップの目線で物語りは展開していく。センタが何者で何を考えているのか、見ている側もフィリップが知っている範囲でしか分からない。日常性の中で描かれる男女の危うい関係、その異常性が徐々に青年をとりまく日常を崩していく。クロード・シャブロルは静かに淡々と語りながら、最後まで観る者を惹きつける。 ちょっと思ったこと…… 熟練ともいえるシャブロル監督の静かな演出を、フィリップ役のブノワ・マジメルといい、映画初出演のセンタ役ローラ・スメットといい、演技で体現できる役者がいるということ。こうした静の演技は、人の営み、心模様をじっくりと描くのは邦画だったのでは。こんな静かな雰囲気は小津作品などでも描かれている雰囲気。そしてそれを演じる役者もいた。 同じ日に観た諏訪敦彦の「不完全な二人」も、フランスを舞台にフランス人夫婦の歪みをじっくりと妻と夫の心の襞を物静かにじっくりと描いた作品。それを演技で見事に体現する二人の役者。多くを語らず、伝える演技ができる役者がいるからこそ、こうした作品も作り上げられらるんだろう。こうした作品を、日本で撮るとしたら、誰が演じられるだろうかと、そんなことが頭を過ぎった。 大阪では1週間だけ昼間1回だけの上映。その後はレイト上映。 観るものを選ぶ映画なのだろうか。静かだが良質な作品だと思う。 余談です… 本作終了後、ブノワ・マジメルの「演技の目」チェックでTSUTAYAに直行。 彼のコーナーにあった作品かっさらってきました。 「夜の子供たち」(1996)「王は踊る」(2000)「ピアニスト」(2001)。そして未見作品でジャンヌ・モローと共演した「銀幕のメモワール」(2001)「スズメバチ」(2002)も。 やはり「石の微笑」 のブノワ・マジメルの静かな受身の演技、目の表情は必見かも。 監督:クロード・シャブロル 製作:パトリック・ゴドー/アントニオ・パサリア/アルフレッド・ウルマー 原作:ルース・レンデル 『石の微笑』(角川書店刊) 脚本:クロード・シャブロル/ ピエール・レシア 撮影:エドゥアルド・セラ 編集:モニーク・ファルドゥリ 音楽:マチュー・シャブロル 出演: ブノワ・マジメル(フィリップ ) ローラ・スメット(センタ) オーロール・クレマン(クリスティーヌ) ベルナール・ル・コク ソレーヌ・ブトン ミシェル・デュショーソワ シュザンヌ・フロン エリーク・セーニュ
by mchouette
| 2007-09-09 12:00
| ■映画
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