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アキ・カウリスマキ作品って私の「ツボ」にはまるテイストなんだ。
![]() LIGHTS IN THE DUSK 2006年/フィンランド・ドイツ・フランス/ 78分 at:梅田ガーデンシネマ 台風がくるというのに、その中を観にいってきました。 カウリスマキの映画といえば… 胸がときめくような素敵な男性、美しき女性はまず出てこない。 主役は無骨で、無粋で笑わん。 感動的なシーンというのも少ない。 でも見ている間になぜか、彼らに感情移入してしまう。 見終わった後は、なぜかほ~っとあったかい気持ちになって映画館を出る。 アキ・カウリスマキのこの世界。このテイスト。 感動的とか、ワクワクするというのとは違って、私の「ツボ」にはまるんです。 今回も、ときめくような素敵な男性が主人公でなく、笑わんに加えて、さらに必要最小限度にしか喋らん、動かんです。 でも今回の主人公コイティネンは、角度によってはちょっと好みに触れたかな? ヤーネン・フーティアイネン。 カウリスマキ作品は「0ミニッツ・オールダー人生のメヴィウス」のバーテンダー役、「過去のない男」では脇役。今回がカウリスマキ作品で初めての主演。 カウリスマキ作品が初出演という俳優達…それも新鮮。 ![]() 「過去のない男」ではあのにこりともしない主演女優、カティ・オウティネンがスーパーのレジ係で、このときの表情も面白い。 「浮き雲」「過去のない男」そして本作「街のあかり」敗者3部作だそうです。 ちなみに「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」は「労働者3部作」。 あえて労働者、敗者と特化させなくても、カウリスマキの作品にでてくる人たちって全て該当すると思うんだけど…。 さて、先日観たアルモドバル監督作品「ボルべール・帰郷」は女性賛歌3部作の最終章。 シリーズもの映画を続けざまに観たせいでしょうか、最近、○○シリーズと、か○部作がやたら多い見たい。 あまりこだわらないことにしましょう。 と言いながら、冒頭でカウリスマキは「ボルベール」の曲を使用しているんです。だから、ついアルモドバルの映画と比べてしまう。 映画「ボルベール」では作中でペネロペが歌うという設定で、フラメンコ歌手エストレージャ・モレンテという女性歌手が歌っているもの。 「街のあかり」は夜警警備員をしている主人公が警備会社の事務所に向かう階段をゆっくりおりてくるという冒頭シーンでこの歌が流れてくる。カルロス・ガルデルという男性歌手が歌っているもの。 こちらのほうが私、お腹と胸に沁みました。 痛い映画と沁みる映画に弱い私の胸にカルロス・ガルデルの声は心地よく、はまりました。 男はおよそ感情を表現する術をどこかに置き忘れたかのように、顔もセリフも動作もまったくもって無感動。目はまるで負け犬のような目。 その代わり自分を表現するのが下手な男にかわって、男性歌手が歌う曲が彼の心情を切々と語ってくれる。 このまんま、映像をきりとってこの曲のカラオケでながしてもいけそうな映像…といえばカウリスマキさんに叱られるかしら。ここで「津軽海峡冬景色」もってきても似合いそう…なんてふと思うシーンなんかもあったわ。 いつもこんな表情の登場人物… ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 私、カラオケもあまり行かないし、演歌もよく分からない人なんですけど、そう思った映画。 ここまできたら好きか、嫌いか、趣味の問題でしょう、この作品。 私は好きです。 セリフも、表情も、行動も、ギリギリまで削ぎ落とした役者の演技、ストーリー展開。 彼らの心情を物語る映像と音楽。 観る者にも感情に訴えたり、同意を求めたりしてこない。 でも彼らの何かを語る無言の眼差しをカメラはきっかりと捉えている。 本作は、カウリスマキ作品の中で、特に良かったと言うほどではないけれど、このテイストは私の「ツボ」にはまりました。 ここ最近、私はなぜか疲れていて、映画みてもいまひとつだったんですけど、原因は「ツボにはまる」映画を観ていなかったからなんですね。本作を観て分かりました。 ![]() 最後に男は、自分をはめた男に仕返ししようとナイフもって行ったとこまでは良かったけれど、手下達にこてんぱにやられてしまって… いつも一人でいる彼の小さな友人と飼い主から見棄てられた犬、そして駆けつけたフランクフルトの店を開いている女がそっと男の腕を握り、男がそっとその女の手を握り返す。 *本作出演のこの犬が途中3回かな、なんとも言えずいい演技するんです。一番の役者。観てやってください。 カウリスマキは犬が好きなのでしょうか。彼の作品には愛すべき存在としてよく犬が登場します。 ![]() 学生時代、一人暮らしを始めたとき、とくに真冬の夜、外から見ると真っ暗な自分の部屋にふと淋しくなって、灯りのついた部屋の、その「あかり」に人肌のぬくもりを感じた…そんな人肌の「あかり」のぬくもりを感じて劇場の座席のシートを後にしました。 私は2月生まれで真冬の生まれ。それだからでしょうか。 それとも、褒めてもらうような逞しさもなく根がグータラだからでしょうか。 アルモドバル「ボルベール」の太陽ギラギラのラテン気質の女の逞しさよりも、あの風土よりもカウリスマキのフィンランドの風土と「街のあかり」のネクラの方が私の性にあっているわ。 賛歌より負け犬? それもいいんじゃないですか。 ある年齢過ぎたら勝ち負けなんて、どうでもいい。 それよりもこんな映画観て感応して、 美しいもの見て心錆びつかないようにして、 コメントに反応してくれる人たちとひと時盛り上がって、 人の何気ない心優しい目配せが嬉しくなり …こんな何気ないひと時が気持ちを明るくしてくれる。 前向いて歩く元気になる。 作中でカルロス・ガルデルの歌に魅かれて、CD2枚組DISC1:24曲DISC2:22曲計46曲「Music In The Films Aki Kaurismaki」買いました。 聞きながらこれを書いてます。今までの彼の映画で使われた曲が収録されています。素敵な曲ばかりです。 ![]() 最後に、監督アキ・カウリスマキからのメッセージから… 厳しい社会の中で何とか自分の居場所を見つけようとしています。しかしそんな彼のはかない夢は、次から次へと打ち砕かれるのです。 監督:アキ・カウリスマキ 製作:アキ・カウリスマキ 脚本:アキ・カウリスマキ 撮影:ティモ・サルミネン 編集:アキ・カウリスマキ 音楽:メルローズ 出演: ヤンネ・フーティアイネン(コイスティネン) マリア・ヤンヴェンヘルミ( ミルヤ) マリア・ヘイスカネン(アイラ) イルッカ・コイヴラ(リンドストロン) カティ・オウティネン(スーパーのレジ係)
by mchouette
| 2007-07-16 00:47
| ■映画
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