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![]() 平安神宮がある岡崎公園内の京都国立近代美術館で開催されている「舞台芸術の世界~ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン」を見にいった。 開催期日は7月16日まで。 1909年、芸術プロデューサーであるセルゲイ・ディアギレフは、20世紀舞台芸術の革命として今日まで語り継がれているロシアバレエ団(バレエ・リュス)をパリで旗揚げします。 京都では、京都文化博物館で、19世紀から20世紀の、歴史に名を残した女性達が着用した「ティアラ展~華麗なるジュエリーの世界」が開催されていて、こちらは盛況とのこと。おかげで日曜日だったけど会場には人が少なく、静かにゆっくりと展示を見れたのが嬉しい。この展示内容自体が一般向きではないのでしょうか。素晴らしい内容なのに… 舞台の映像記録がほとんど残っていないバレイ・リュスの演目の舞台衣装や、舞台のための素描画約100点、当時の舞台衣装10点、貴重な写真資料、当時のプログラム、チケットなどが展示されていた。 また、ロシアの演劇や舞踊界で重要な影響を及ぼした人たちの肖像もあった。 その中でアンナ・バブロワが素晴らしい ![]() 衣装デザイン画はその色、デザインなど、後世に多大な影響を与えたのがよく分かる。思わず見惚れる。 でも私は芸術的に見るというよりもミーハー的に見てしまう。「あらっ、こんな柄でワンピース作ったら素敵!」「こんなコートあったらいいな」「この配色いいな」とか…また衣装の仕立て指示のデザイン画などは実際の布が留めてあり、細かい仕立て指示が書き込まれていた。 舞台のデザイン画などは、これだけで1枚の絵画になるほど。 また、これらの素描画が入った額縁がどれも素晴らしいデザインばかりで、額装の紹介冊子が欲しかった。額縁そのものにも目が行くものばかりだった。 展示されている衣装で、柄や色を生地に直接ペインティングしてあったのも面白い。 <菱形は全て生地に直接ペインティングしてあった> ![]() <ニジンスキーのための衣装デザイン> ![]() <「スルタンと龍」の衣装デザイン> ![]() そして、今回の展示でもう一つ嬉しいのは、現在でもモダンバレイで踊り継がれている「薔薇の精」「牧神の午後」「ペトルーシュカ」のパリ・オペラ座による映像記録が上映されたこと。 「薔薇の精」15分、「牧神の午後」15分、「ペトルーシュカ」35分 この3作品は、それぞれ舞台で見ているが、この展示会で上映されたものは、映像自体は鮮明ではないものの、とてもレベルの高い踊りで感動した。たっぷり1時間、こんな素晴らしいバレイもみれて、1250円の入場料は安い! そして、こういう舞踊の映像をみると、ディアギレフのバレイ・リュス旗揚げの中核であったニジンスキー、その人の踊りを見たいと思う。写真と本とDVD(ニジンスキーについて証言)でしか知らない。 「薔薇の精」ではまるで空を飛んだような高い跳躍を見せて人々を驚かせたという。 そして、彼が振り付けをした「牧神の午後」は、芸術家達には絶賛されたものの、世間からはその性的な表現のために卑猥、下品と酷評されたものだ。 あの時代にあって性の欲望まで掘り下げて愛を表現しようとしたニジンスキーは、やはり天才であり、時代の1歩、2歩も先にいたのだろう。そして、彼の精神は、徐々に壊れていく。 <ヴァーツラフ・ニジンスキー> ![]() <「薔薇の精」1911年> ![]() <「牧神の午後」1912年> ![]() 松岡正剛は「千夜一冊」の中でヴァーツラフ・ニジンスキー著『ニジンスキーの手記』を取り上げて、ニジンスキーについて語っている。 (http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1099.html) 「ニジンスキーの狂気の原因をさぐるのは、意味がない。むしろニジンスキーが何をなしえたかを語るべきなのである。しかし、それがまたあまりにも大きすぎるのだ。ニジンスキーが残したものは、20世紀バレエの開幕と20世紀モダンダンスの冒険と、ポストモダンダンスの実験そのものだったのだ。 たとえば、モーリス・ベジャールの『春の祭典』とジョルジュ・ドンが踊った『ニジンスキー 神の道化』である。ドンがニジンスキーになった舞台は、日本でも30回以上の公演があった。その舞台の奥でニジンスキーは生きていた。それがニジンスキーがなしえたことなのである。」 そしてロシア・バレイについて 「若きジャン・コクトーはディアギレフの舞台に圧倒され、『ニジンスキーは船底の魚のように跳ねた』と驚嘆した。コクトーだけではない、ピカソもエリック・サティもココ・シャネルも、みんなロシア・バレエとニジンスキーとパヴロヴァとカルサーヴィナにぞっこんだった。ロシア・バレエはパリを挑発しつづけたのだ。」と記している。 「ニジンスキー神の道化」鈴木晶・著/新書館・刊 いつの間にかニジンスキーについて語っている。 彼が現在のモダンバレイにもたらしたものは大きい。いまでも語り継がれる舞踊家だ。 昨年だったか、首藤康之が踊る「ペトルーシュカ」「牧神の午後」をフェスティバルホールで見た。ニジンスキーの映像がないから、彼らの踊るニジンスキーの踊ったこれらの演目を通じて、松岡氏が指摘するように、やはりニジンスキーという稀有な天才舞踊家の姿を追っているのだろう。 たっぷり、ゆっくりディアギレフ、ニジンスキーたちのロシア・バレイの世界に浸り、疎水沿いに祇園まで歩いて「鍵善」で「葛きり」を食べて、私へのお土産にニッキの風味が美味しい和風スィートポテト「おひもさん」を買って、満足の気持ちで帰ってきました。
by mchouette
| 2007-07-02 00:00
| ■展覧会・コンサート
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