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![]() 「DER VORLESER」 著者:ベルンハルト・シュリンク 訳者:松永美穂 発行:新潮社(2000年4月25日) この本は新聞の書評欄で知り、小説の内容に魅かれて買いました。 私の手元にあるのは「18刷 2001年1月25日」。 帯に「新潮クレスト・ブック創刊2周年記念特別作品/毎日出版文化賞特別賞受賞」と記されています。 ドイツで刊行され、5年間で20以上の言語に翻訳され、アメリカでは200万部を超えるベストセラーになったそうです。おそらく日本でも初刊行の2000年は書店で一大ブームが起こったことでしょう。ブームに背を向けてしまうところのある私は、その1年後に読んでいます。もう6年前。たいていは「あとがき」まで読むのだけれど、この本は「あとがき」を読んだ記憶がなかった。 おそらく読み終わった後、大きなため息ともに本を閉じてしまったのだろうと思う。 主人公二人の親子ほど年齢の違う少年と中年女性の恋愛に戸惑いながら読み始め、読み進むにつれ、二人の辿るドラマに引きこまれていった。「ぼく」の正直な心情の吐露、時代に翻弄された人生、ハンナの凛とした孤独。 ハンナにも「ぼく」にも重なるものを感じる。読後感はきりきりと締めつられる。 「あとがき」で、この本を2回読むことを勧めている。 「ストーリーがわかりにくいのではなく、一読したときにはインパクトの強い事件ばかりが印象に残るが、二読目に初めて登場人物たちの感情や細やかさに目が開かれる。」と訳者は記しています。 二読目にして、ようやく私の中で「ぼく」とハンナがそれぞれの場所に落ち着いてくれたようだ。 彼らの心の襞をさらに読み取るには、やはり私にはもう一度読まないと、と思ってしまう。 そんな気にさせる本ということでしょう。 そして、二読目はかろうじて唇をかみしめたけど、三回目では泣いてしまうだろうと思う。 私は、たぶん一読目の時は、事件のインパクトというよりも、多くの問題がこの作品に含まれており、この物語の語り手である「ぼく」自身が、「ぼく」とハンナについて、そしてハンナその人について、そして「ぼく」自身について「~かも知れない」という、彼自身、何一つ答えが見つからないまま、最後にハンナの墓の前にたった、そのままの状態で、私もこの本を読み終えたのだろう。「ぼく」とハンナが私には痛かった。 そのまま、書棚に入れられたままだったこの本を、もう一度、書棚から取り出して読むきっかけを作ってくれたのは、いつも素敵な薔薇と文章に会えるブログ「匂いのいい花束」で映画「ソフィ-の選択」について書かれた記事の中で、関連で「朗読者」の映画化についても触れられていたことにあった。(感謝) 映画化の前にもう一度読んでおきたい。そんな気持ちが湧いてのニ読目だった。 この本のあとがきにも映画化について書かれていました。 <ストーリーに触れている部分があります> 物語は「ぼく」ミヒャエルの視点で「ぼくとハンナの物語」を、あるがまま、思ったままを素直に語っている。 時代背景は第二次大戦後のドイツ。15歳の時に21歳年上のハンナとふとしたきっかけで出会い、そして僕は恋に落ちたこと。ぼくとハンナの愛し合った時間。彼女にいろんな本を朗読してやったこと。そしてハンナの突然の失踪。大学で法学を専攻する「ぼく」がゼミの研究でナチの強制収用所の看守を裁く裁判を傍聴に行き、その法廷で裁かれる側に立つハンナを見つけたこと。僕の感覚。麻痺した感覚。無期懲役になったハンナに10年間朗読のテープを送り続けたこと。そしてハンナとの再会。そしてハンナの死。ハンナが残した物。ハンナへのぼくの思い、憧れ。 ハンナの死後、ハンナについて、あるいは、ぼくのハンナへの気持ちについて、多くの疑問がぼくを苦しめた。そして10年後、始めて出合った頃のハンナの年齢を超え中年になった「ぼく」は、ようやく、「ぼくとハンナ」の物語を書きはじめた。 いくつかのバージョンを描いたという。そして、このバージョンが書かれることを欲し、他のバージョンは書かれることを望まなかったという。 「ぼくはやっぱり、自由になるために物語を書いたのかもしれない。自由にはけっして手が届かないとしても」 二人の心の襞を、ミンゲラ監督はどのように映像で表現して、みせてくれるんでしょう? そして、キャスティングは? 公開はいつなんでしょう? やはり期待してしまいます。 ベルンハルト・シュリンク Schlink,Bernhard 1944年、ドイツ西部のビーレフェルト近郊に生れる。ハイデルベルク大学、ベルリン自由大学で法律を学び、1982年以降、ボン大学などで教鞭をとる。現在は、フンボルト大学の法学部教授。かつては、ノルトライン・ヴェストファーレン州の憲法裁判所判事でもあった。作家としては、1987年にヴァルター・ポップとの共著『ゼルプの裁き』でデビュー。1993年には『ゼルプの欺瞞』でドイツ・ミステリー大賞を受賞。他の著書に『朗読者』『ゼルプの殺人』などがある。
by mchouette
| 2007-06-28 00:00
| ■一冊の本
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