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1998年/フランス/8分
オゾンはこの作品の後、長編作品を手がけていきます。 オゾンの短編の追っかけはこの作品と、同じく記事UPしました「ベッドタイム・ストーリーズ」で最後です。 グレゴリオ暦「2000年」は世間を大いに騒がせた年。 大げさな世紀末終末論に、例のコンピューター誤作動騒ぎの2000年問題と、なにかとお騒がせの年でした。 1999年から2000年にまたがったとき、何が起こるんだ! 随分騒がれましたね。 オゾンもそんな1999年が終わり、ひょっとしたら何かとても大変なことが起きるんではないかと言われている2000年の新年の朝をたったの8分で描いてます。 タイトルは「X2000」 ![]() ![]() パリのアパルトマンの一室。 登場人物たちはすっきりと、例によって皆さん、裸です。 いつもと変わらず、何の感動もなく、いつもの朝のいつもの習慣。 窓から向かい部屋でセックスしている男と女を覗いている。 双子の兄弟は死んだように眠っている。 なんにも起こらない。 何が問題かって、ゴミ箱の下で獲物に群がる蟻の大群がいて、そいつが足にまで群がってきたこと。 ![]() 世間の大騒ぎを、さらりとかわすこの粋なこと。 「よっ!オゾン」と掛け声かけたい気持ち。 世間では「皮肉とユーモア」などと評されてますが、私はオゾンは世間に皮肉的な視線を向けているわけでもなく、おちょくってるわけでもないと思うんです。 「僕は自分自身と自分の空想と自分の神経症と自分の無意識にできるかぎり忠実であろうとしてきただけ」と彼自身が語っているように、撮りたいものを撮りたい風に撮る。そして、それが彼独自の世界を構築しているんだと思います。 監督:フランソワ・オゾン この作品の後、彼は次々と長編映画を撮っていきます。テーマもセクシャリティから悪意、愛、死……人間の内面の隅々にまでメスをいれ、独自の手法で描いていく。 そしてオゾンの映画制作は常に実験的といおうか、冒険的といおうか、新しい試みがある。 だから、「これがオゾン」と勝手にオゾンの作品のイメージを持ってみたら、確実に裏切られると思う。 定着、固定という言葉はオゾンの辞書にはないのだろう。 「アクション、ヴェリテ」から順にオゾンの短編見てきたけど、どれも違うテイスト、カラー、切り口を見せている。全て違うことに驚かされる。共通しているのは、その軽やかさとセンスのよさ、そして無駄がない映像。セリフに頼らずそのシーンだけで見る側に納得させる、感じさせられる映像表現。 たった8分、とてもシンプルな構図の「X2000」だけど、一つ一つの映像はとてもよく計算された構図で描かれている。一つ一つにオゾンの鋭い視線がいきわたっている。 そしてオゾンの凄いところは、そんな鋭い作家の目を、作品を通して見る側に感じさせないこと。 オゾンは深刻な重い雰囲気になることに敏感に反応し、こうした雰囲気を排除する。作品に必要以上の加重がかかるのを拒絶しているようだ。 漢字を多用して小難しい論理を振りかざして語るのは簡単だ。けれどもひらがなで平易な言葉で表現するって難しい。オゾンはそれを目指している。 だから私は、オゾンをミーハーで観てる。雰囲気で観てる。オゾンの世界に素直に浸って観てる。オゾンの作品が好きだから、好きで観てる。オゾン作品ってそんな風に観るのが一番いいように思うんだけど…… 次回からはオゾンの長編作品を追っかけて行きます。 AB型って熱しやすく冷めやすい質なもので、明けても暮れてもオゾンの記事というのは記事がマンネリしそうで刺激がなくていけません。それに一挙には疲れるしで、ぼちぼち追っかけていきます。
by mchouette
| 2007-06-05 00:01
| ■映画
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