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原題は「TABU」。 現代のリスボンを舞台にした第一部「楽園の喪失」と、植民地時代のアフリカを舞台にした第二部「楽園」で構成された作品。 生命力を感じさせない第一部はいささか退屈気味だったけど、これこそが「楽園の喪失」なのでしょうか。 そんな第一部に比べて、老いたヴェントゥーラの語りで綴られる、モノクロ映像で描かれた第二部「楽園」は目を逸らすことなくじっと惹きつけられた映像。 モノクロ映画のあの時代の、懐かしささえ感じさせる空気、そして植民地時代のアフリカの空気さえも感じさせる映像。 その中で熱く燃え上がる二人のタブーの愛。 そんな熱い感情さえも封印したように描かれる第二部の映像。 あの頃の滾るような熱い感情は過去の時間の中に埋もれ、ヒリヒリとした痛みだけがアウロラの記憶の中に刻まれ、50年という時を彼女は生きてきたのだろうか。 50年前の若い二人が登場する第二部「楽園」が唐突に終り、遠く過ぎ去った若く熱かった熱波のような時間の前で、老いた「今」という時間の現実が残酷だ。 直感型人間の私としては、この映画は多分に頭で観る作品といったところでしょうか。 原題「TABU」は、ムルナウ監督の遺作となったドキュメンタリータッチの作品「TABU」から付けられたとか。南海のとある島で素朴な暮らしを続ける部族と、厳しい戒律によって仲を引き裂かれた若い男女の姿を描いたムルナウのこの映画が見たくなった。多分、こっちは胸にストレートに刺さりそうな気がする。
by mChouette
| 2013-07-21 10:25
| ■映画
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