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JUTRO BEDZIE LEPIEJ ポーランドのドロタ・ケンジェジャフスカ監督。 「僕がいない場所」で、幼いがゆえに言葉として表現できない少年の思いを見事に映像に描き上げ、深い感銘を受けタ作品。 「木洩れ日の家で」は一人暮らす老女の孤独と不安、思い出の詰まった家に対する愛着、そしてその彼女が家と自分自身に対して下した決断がなんとも潔い。寄り添うような細やかな視線と独自の切り口に、注目したい監督の一人。 そのドロタ監督の最新作が本作。 鉄道駅舎をねぐらにしている6歳のペチャと10歳のヴァーシャ兄弟。そして彼らと同じストリート・チルドレンの11歳のリャパ。 この3人の少年たちのロシアからポーランドへの国境越えを描いた作品。 暗闇に紛れ、鉄道員達の目をかいくぐり、貨物列車に乗り込んだ3人の少年たち。 きっと少年達にとっては、亡命とか密入国とかといった確たる意識も悲壮感はなかったのだろう。 ポーランド語は分からないけれど、英語タイトルは「TOMORROW WILL BE BETTER」 今よりも、此処よりも、国境を越えたらきっといいことが待っている。 そんなワクワクするような冒険心の方が強かったのかしら。 駅舎の中を鉄道員達の目をかいくぐりながら暮らすよりも、もっと何か楽しい事のように思えたのだろうか。 国境をめざし、廃線になった線路を歩き、ゴミ箱から拾ったペットボトルに川の水を入れ飲み水にし、警備兵から隠れることあるけれど、無邪気にじゃれあう彼らの顔はぬけるような青空のようにどこまでも屈託がない。 ![]() そんな彼らの姿をみていると、死体探しにいく4人の少年たちの一夏の冒険を描いたアメリカ映画「スタンド・バイ・ミー」と重なるよう。 しかし冒険が終れば帰るべき家があり、振り返ればそれは少年時代のかけがえのない時間でもある、そんな4人と違い、ストリート・チルドレンの彼らの居場所は国境を越えたポーランドにもない。 彼らの冒険の旅も、夢も希望も、社会の現実を前にあっけなく終る。 チャパのみせる無邪気さもあどけないお願いも一切通用しない。 旧ソ連圏の社会で彼らのようなストリート・チルドレンがどれほどいるのか、ソ連崩壊後のロシアとその近隣諸国の実情には疎い。 少年たちの屈託のないロードムーヴィーのように思えた彼らの旅が、保護を願って警察を訪れた時から、違う場所にきたような居心地の悪さと、軍の車で送還されるというなんともあっけない現実に戸惑いを覚えながら、映画は終る。 「同じ空だ」というペチャに、「違う俺たちの空だ」というリャパ。 「ポーランド語を話したらロシア語を忘れるの?」と不安がるチャパ。 「いつか戻ってくる。王様になって戻ってくる」というリャパ。 王様という夢の続きに、送還される護送車の中で少年たちはまた屈託なく笑いこける。 現実の苛酷さを屈託のない笑いに変えて生きる子供たちに、やり切れなさを感じる。 居心地の悪さを観る者にあえて突きつけたともいえる本作。 少年たちは演技未経験の子供たちだそうだ。
by mChouette
| 2013-02-01 16:46
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