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連日の暑さでとうとうエアコンのリモコンをONにしてしまった先週末。あまりの暑さに出がける気も削がれお家シネマと決め込んだ。 泥沼化したアルジェリア戦争において、アルジェリアの独立を認めた時のフランス大統領シャルル・ド・ゴール。それに反対する軍事勢力は密かにOASなる秘密軍事組織を結成。政府の転覆とド・ゴール暗殺を企てるもことごとく失敗に終わり壊滅状態に陥ったOASの主要幹部は、密かにプロの暗殺者を雇うことに。そして選ばれた暗殺者がイギリスからやってきた。 ベージュのスーツを着た金髪の身なりのいい青年が飛行機のタラップを降りる。 暗殺者とは思えない風貌と身のこなし。どこから見てもビジネスマンか良家の青年といった風情。 しかし無駄な言葉を一切口にせず沈着冷静、簡潔明瞭なるその言動の底に、暗殺者としての冷酷さと非情さがあり落ち着き払った態度の背後には有無を言わせぬ殺気さえ感じさせる。 コードネームをジャッカルと名乗る金髪の暗殺者にイギリス人のエドワード・フォックス。みるからにイギリス人。 この佇まいと雰囲気は、本作のリメイク作品でアメリカを舞台にした「ジャッカル」で暗殺者ジャッカルを演じたブルース・ウィリスには出せない味(これはこれれで娯楽作品として面白いんですけどね)。こちらも周到なる動きをするのだけれど、たたき上げの肉体派暗殺者といったところ。対するエドワード・フォックスは緻密な頭脳派。寡黙に着々と暗殺の準備をしていくジャッカル。 その準備の徹底した周到ぶり、そして予期せぬアクシデントに対するとっさの機転などなど、最後まで驚かされる。彼の行動の一つ一つが暗殺計画に欠かせないコマの一つだったことがストーリーが進むにつれ明らかになっていく。 本作のもうひとつのお楽しみは、舞台となっているパリの街や、暗殺の準備のためにヨーロッパ中を移動するジャッカルを追ってヨーロッパ各地の町の光景も観光気分で楽しめる。 そんな町の中をベージュのスーツ姿のジャッカルが目的に向かって足早に通り過ぎる。 ルベールたちがようやく突き止めた、常に一歩先をいくジャッカルの緻密で周到なる計画。 そして暗殺の日と目される8月25日パリ解放記日。舞台となる凱旋門そしてノートルダム寺院ななどなど。式典の様子、そして軍事パレードとたっぷり見せてくれる。 周辺建物の屋上には狙撃隊が配備されるという物々しい警備体制の中で式典は粛々と続く。そしてルベール警視も見えない暗殺者の居場所を捜し続ける…… その中をあっと驚く変装でとある建物に入っていくジャッカル。 あの時のあの書類がこれだったのか…。これは蚤の市で買い求めたあの古着…。そして合鍵。 標的に向かいたった一人で黙々と止ることなく歩を進めていった一人の暗殺者。 映画を見ているものは彼のその行動を映像でじっくりと目撃し続ける。 そして一人の暗殺者が死んだ。 立ち会ったのはルベール警視ただ一人。 彼がイギリス人であるのかさえも定かではない。 一人の暗殺者の死に孤独な悲哀感さえ漂う。 ルベール警視を演じたフランスの俳優マイケル・ロンズデール。
by mChouette
| 2012-07-21 00:00
| ■映画
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