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原作ジョン・ル・カレ、主役にゲイリー・オールドマンということで5月連休中にいそいそと映画館まで観にいったものの、風邪による体力ダウンで感想をブログアップできないままに、6月も後半に。東西冷戦下。通称サーカスと呼ばれるイギリス諜報機関MI6は、ソ連KGBと水面下で様々な情報戦を繰り広げていた。”もぐら”と呼ばれる二重スパイも暗躍する。 アメリカCIA内部を描いたロバート・デ・ニーロ監督の「グッド・シェパード」でもデ・ニーロ演じる将軍がCIA諜報員のマット・デイモンに「自分以外は誰も信用するな。この私もだ。」そういうセリフがある。 モグラを追い続けていた上司コントロールの死によって、モグラ探しを命じられたゲイリー・オールドマン演じるジョン・スマイリー。 諜報機関の中枢メンバーでもある仲間の中に二重スパイがいる。 作戦の失敗によってコントロールとともに彼の片腕だったスマイリーも共に組織を解任させられた。そしてコントロールの突然の死。これら一連の出来事も、モグラと彼に通じるソ連KGBによって仕組まれた罠。 若手情報部員ピーター・ギリアムを相棒にアパートの一室を拠点に秘密裡にモグラを探し出す捜査を開始する。 複雑に絡み合った情報を紐解き、小さな事柄、微妙なタイムラグにも神経を張り巡らせ、そこに潜む一つの糸を手繰り寄せていく。まさに頭脳戦。 ゲイリー・オールドマンの、あらゆる感情を内部に封じ込め、それすらもコントロールするかのような彼の寡黙な演技が光る。 感情を決して表に見せないという諜報員としての掟が身体に染み込んでしまった悲しい性が切ない。 ![]() モグラの正体を教えるという情報を受け、コントロールから極秘の命を受けハンガリーに潜入したジム・プリドー。~これがソ連が仕掛けた罠で、二重スパイを密かに捜査していたコントロール失脚につながるのだが~。モグラなどいないと信じるジムはそれでも危険を承知でハンガリーに出向いた。なぜだと問うスマイリーに「任務だから。」と答えるジム。 一匹狼で動きながらも組織の人間としてある以上、上からの命令には理不尽であっても承服しがたくてもノーといえない。受けた以上は成果をださなくてはならない。 かつて日本でもサラリーマンたちが企業戦士と言われた時代もあった。現在でもそれは変わらないだろう。トップの不始末を背負う事件もある昨今。ジムの答えに彼らサラリーマンたちにも通じる悲哀を感じる。 冷戦下でのこうしたスパイたちを描いた小説や映画などに触れるたびに「どうして? なぜここまで国家のためという大義のもとでここまで動けるの? 動こうとするの?」そう思う。こんな風に思うのは私が女だからだろうか。東西冷戦下での情報活動が何だったのかということがおぼろげに分かってきた今だからこそ言えるのだろうか。 ジムの言葉を聞くスマイリーの表情にも苦渋の色が見えるような……。 そのジムが、裏切りの友に向かって銃口を向け、木立に潜むその銃口を見つめ続けるモグラ。 かつてクリケットに興じ、友情を抱きあっていた二人の男。 一滴の涙。 ラストに流れる「ラ・メール」が悲しく響く。 ![]() 派手な銃撃戦、格闘シーン、カーチェイスてんこ盛りのアメリカ版スパイ映画とは違う、英国俳優の渋さと片時も目が離せない緊迫感そして重厚な映像が光るいぶし銀のような味の大人の映画。 原作とはまた違う映画ならではの映像で熱く語られた、時代が歴史が生み出した確執の中で孤独を抱えた男たちの物語。 映画鑑賞のリピートサービスもあったけど、余韻を温めて数年後にもう一度じっくり味わいたいと思う。 …………………………………………………………………………………………………… ゲイ・ムービーとしても知られるイギリス映画「アナザー・カントリー」もソ連に亡命した実在のスパイでケンブリッジ・ファイヴ( Cambridge Five)といわれるイギリスで活動したソ連側のスパイの一人。エリートの中のエリートたらん競争が繰り広げられる、徹底した縦社会の構図のパブリックスクール。当時、同性愛は犯罪とされたイギリス社会において同性愛者であることは致命的。同性愛者であることもまた己の信念。イギリス社会におけるエリートとしての輝かしい未来を絶たれ、己の信念を貫かんとする主人公が選んだ道がソ連側のスパイ。彼ら二重スパイ活動は1950年代に露見し、メンバーの多くがソ連に亡命している。本作のモグラもその5人のうちの一人キム・フィルビーとされている。
by mChouette
| 2012-06-22 00:00
| ■映画
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