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詩人として若くしてその才能を発揮していたベルトルッチが、詩人でもあり映画監督でもあったピエル・パオロ・パゾリーニの助監督を経て、パゾリーニの原案をもとに21歳で監督した彼の映画処女作。ヴェネツィア映画祭で高い評価を受けた作品。 ローマ・テーヴェレ川沿いの公園で起きた中年娼婦の殺害事件。 その日の午後、近辺にいた者たち一人一人が警察で尋問を受けるという形で語られていく。何もない空間に椅子に座る容疑者たち。取調べ官の姿は見えず声だけ。それに答えるという形でその日の午後の行動を語り始める。その間に、仕事に出かける前の娼婦の様子も挿入される。 それぞれの容疑者が別の容疑者を目撃していて、ある場面が別の角度から新たな容疑者によって語られていく。 彼らの証言から浮かび上がるのは、仕事も金もなく若さと時間をもてあます若者たち。公園にたむろする社会の底辺でうごめく者たちの姿。 突然の雨があがると、橋の下では雨宿りしていた娼婦たちが次々と出てくる。 殺された娼婦が客に語るセリフを通して娼婦たちの厳しい現実、悲哀、ささやかで必死な願いが語られている。 こんなテーマは、やはりパゾリーニ。 映像は斬新さを見せながらも、どこかで見た映像と思えるようにベルトルッチ独自のとは言いがたいぎこちなさを感じる。このぎこちなさを引きずりつつ「革命前夜」(1964年)そして「暗殺のオペラ」(1969年)そして「暗殺の森」(1970年)と彼の詩的かつ官能の映像世界が滑らかに深まっていく…そんな印象を持ったベルトルッチ監督デビュー作「殺し」
by mChouette
| 2012-06-20 00:00
| ■映画
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