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HJEM TIL JUL原作はレヴィ・ヘンリクセンの短編集。ひとつひとつの物語の断片がパズルのように脈絡なく描かれていきながら、ぎこちなさを感じさせることなく、ゆっくりとつなぎ合わさっていく。この辺りの演出はハーメル監督らしい。降り積もった雪の白さと蝋燭とランプの優しい明かり。照明のおちた街にあって家の灯りが暖かく優しい。 原題を直訳すると「クリスマスに家に帰ろう」となるのだろう。 日本では「お正月には」となるのだろうけれど、キリスト教圏ではクリスマスは一年で一番大切な日なんでしょう。だからこそ幸福を感じたい、幸福に過ごしたい……今年のクリスマスには…市井に生きる人々の、クリスマスの夜だからこそ特別な愛をいとおしむ時間を過ごしたいと願う、クリスマスの夜のそれぞれのささやかな思いが込められた本作。 クリスマスのその夜の町も静かに更けていき、天体望遠鏡で星を眺める少年と少女の淡い恋、寝たり気の妻にアイロンをかけたワンピースを着せ二人でベッドに寄り添う老夫婦。ホームレスとなっている男の正体が分かるのも痛ましい。不倫相手の男性が家族と来ている教会に出むいた女性。並んで座った二人の女性が夫と、不倫相手のその男からのプレゼントの同じ赤のスカーフをしているのもおかしい。離婚して家族の愛に気づく男。コソボ紛争で故郷から脱出してきた若いカップル。その出産に立ち会った医者。 赤ん坊を抱いた若いカップルを祝福するように彼らの行く手にオーロラが白銀の静かな夜空を覆う……衝撃的な冒頭の物語はどうなるんだろうと思っていたらラストシーンに繋がる。 この監督らしいといえば、らしいんだけど…… ゆるりとした遅れ気味のユーモアがなんともいえない味わいとおかしみの持ち味が今回は感じられず、ちょっと期待からそれてしまった。 映画評を読むと、心温まるとか、ささやかな幸せを描いて素晴らしいとかとあるんだけど…… いまひとつまとまりにかけるというか、ちょっとこじつけみたいなところもあるし…で心温まる思いでとまではいかず劇場をでた。 ただ、本作観て思うのが、一昔前の日本には、こんな風に特別な思い出お正月を向え、家族でちょっと改まって静かな特別な日として元旦があったのだけれど、「来年の正月には家さ帰ってこいよ」といった年老いた母のセリフなんかが映画などでもあったのだけど、世間から一年の区切りのそんな「特別な」感覚も薄れていっているような気がここ数年ずっと感じている。
by mChouette
| 2011-12-16 00:00
| ■映画
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