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PICNIC AT HANGING ROCKオーストラリア出身のピーター・ウィアー監督。 「危険な年」(1982年)、「刑事ジョンブック/目撃者」(1985年)、「モスキート・コースト」(1986年)、「今を生きる」(1989年)など、内容はさまざまだけど作風は一貫していてマイペースで映画を撮ってる方って印象を作品から受ける。 ちなみに私のお気に入りは「マスター・アンド・コマンダー」。 そのウィアー監督がオーストラリア時代に撮ったのが本作。 ジョアン・リンゼイの同名小説の映画化。 1900年2月14日のバレンタイン・デーに全寮制の名門女子学園の生徒たちが馬車でピクニックに出かけたハンギング・ロックで、3名の女生徒と一人の教師が忽然と姿を消し、必死の捜索にもかかわらず行方不明のままという、オーストラリアで実際に起きた事件。 岩肌がむき出しの荒野にあるハンギング・ロックで、柔らかで真っ白なワンピース姿の生徒達が思い思いに自由を楽しむ姿は、ギリシャ神話のニンフを思わせるような美しさと優雅さと、そして、どこかセクシャルな匂いさえ嗅ぎとれるほど。 ![]() その中でひときわ際立つ美しさをもつ女生徒ミランダ。 付き添いの女教師が思わず口にする。「ミランダはボッティチェリの天使だわ」と。 カメラはこのミランダにフォーカスし続ける。 ミランダに誘われるように、数名の女子生徒たちが岩山を登っていく。そしてミランダを先頭に少女たちは憑かれたように岩の裂け目へと入っていく……。 ミランダを演じたアン・ランバートはまさに美少女!彼女から目をそらすことができないほど。ピーター・グリーナウェイの「英国式庭園殺人事件」(1982年)にも出演。女生徒たちの謎を秘めた失踪事件と、その事件がもたらすもの。 子どもでもなく大人でもない、少女という年齢が醸し出すイノセントな不安定さと秘密めいたセクシャルを内包しながらも、ピーター・ウィアーはどこまでも幻想的な美しさで描きあげている。 オーストラリアという国は、1788年からアメリカに代わって流刑植民地としてイギリス人の移民が始まったという。初期移民団1030人のうち、736人が囚人でその他はほとんどが貧困層の人間であったという。1828年に全土がイギリスの植民地(1901年に独立)となり開拓が進められたという歴史がある。ハンギングロックに向う馬車に行儀よく躾けられた少女たちが腰掛け、開拓時代を思わせる町を通りすぎる時の異質さが、物語がもたらす不穏な不安を暗示させる。 物語は何も解決しないまま、セーラという寄宿生が自殺し、そして退学者が相次ぐ中で学園長夫人もまた岩山から転落死する。 少女たちの失踪を扱った作品だけど、サスペンスやミステリーでもなく、しかしさまざまに散りばめられた暗喩が不安や緊張を漂わせ、それでいて甘美ともいえる作品に仕上がっている。こういうところがピーター・ウィアー監督の作風だろう。 ![]()
by mChouette
| 2011-11-22 09:25
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