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WHISKY
2004年/ウルグアイ・アルゼンチン・ドイツ・スペイン/94分 監督: フアン・パブロ・レベージャ/パブロ・ストールウルグアイ発の映画って耳慣れない。 ウルグアイって何処?って思わず地図で確かめたた南米大陸にある国だった。 映画誕生以来、これまでに製作された長編映画は約60本で、2002年までは映画産業そのものも存在しないも同然だったという厳しい環境で、海外で広く公開されたのは本作「ウィスキー」が初めてなんだそうだ。 ブラジルとアルゼンチンに国境を接しているから気候は温暖で、その国民性ものんびりと鷹揚な性格の人が多いのだそうだけど、中年男女3人のこの物語。最後の最後までぎこちなさと不器用さがつきまとい、そう、寒い寒い北欧の、暖かい陽射しとは無縁に近いと思われる、それでいてとってもソウルフルなアキ・カウリスマキ作品のテイストに通じるものがある。 ウルグアイの町で父親から譲り受けた小さな小さな靴下工場を細々と経営している初老に近いハコボ。お世辞とかお愛想とか思いやりとかとは無縁みたいな人。気難しそうには見えないけれど、ほとんど無関心といってもいいだろうか。 そのハコボの下で忠実に働く中年女性マルタ。 そしてブラジルで同じく靴下工場を経営しているハコボの弟のエルマン。 他に靴下工場の女工が2人ほど出てくるが、登場人物はこの3人だけといっていい くらい。 1年前に亡くなった母親の墓石の建立式に、ブラジルから同じように靴下工場を経営するハコボの弟で疎遠な関係にあったエルマンが来ることになった。 何か事情があるのだろうか。ハコボは、弟が滞在する間マルタに夫婦の振りをして欲しいと頼む。そしてそれをすんなりと受け入れるマルタ。 この辺りもあえて説明するような描写などなく、それが観ていても何故?とも思わず、すんなりと受けとめられ、すでにしてこのあたりからもハコボとマルタそしてエルマンそれぞれの人物像が頭の中で形づくられていく。 映画を観ながら、たぶんマルタはこんな風に思っているんだろうとか、ハコボの内心は?とか、エルマンのこの饒舌さは、彼もまた何かを装っているのかしら?などとあれこれ考えながら、いつしか無味乾燥とも思えるこの3人の数日間の物語がなんともいえぬ味を醸し出してくる。 偽装結婚のために、腕を組んで一緒に写真を撮りに行く。カメラの前でぎこちなく立った二人は「ウィスキー」と笑顔になる。 エルマンが提案した3人のウルグアイ旅行。旅先の記念写真でも3人揃って「ウィスキー」と笑顔 ブラジルに戻るエルマンを見送る二人。 そしてその後のハコボとマルタ……。 映画の観客には、あぁ、本当はこんな人だったんだってハコボの素顔も、マルタの素顔もちらっと見えたし… 日常の中で偽装夫婦を演じるなんてとってもドラマティックであるんだけれど、でもドラマティックでもなんでもなくって、とっても日常的ともいえるこの映画。 そして、このラストは、これはこれで良かったんだろうなって思う。 実はこの映画、マルタのための映画といってもいいんじゃないかしら。 男たちは心の中では、何かを感じながらも今までと同じ道を歩いていくんだろう。 でもマルタは…作り事でもいい、ウィスキーといってつくった笑顔から変った自分を受け入れて歩いていくんだろうなって思う。 女って今いる日常の枠をぶっ壊して突破できるけど、男って案外とできないのかしらって、そんなこともチラッと思った。
by mchouette
| 2011-02-27 00:00
| ■映画
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