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SENNA
2010年/イギリス/108分 at:TOHOシネマズ梅田 監督: アシフ・カパディアアイルトン・セナ。 不世出の天才レーサー、世紀のカリスマ・ドライバーといってもいいだろう。 1960年3月21日、ブラジル・サンパウロで生まれ4歳にしてカートに夢中になり、プロレーサーを志し、ヨーロッパに渡り24歳でF1デビューを飾るや、またたくまに世界の頂点へと登り詰め、 F1ドライバーとして3度のワールドチャンピオンを獲得し「音速の貴公子」と呼ばれたアイルトン・セナ。 そして1994年5月1日、サンマリノGPで時速310kmで走るセナのマシンは突如コントロールを失い、スピードが落ちないままコーナーを直進、コンクリートウォールに激突し大破。 34歳の若さでこの世を去ったアイルトン・セナ。 ![]() 本作はセナの生誕50年にあたる今年、彼の遺志を受け継いだ『アイルトン・セナ財団』の全面協力のもと製作されたドキュメンタリー映画で、当時のレース映像やインタビュー、プライベート映像を通して、私の過去の記憶と重ね合わせながら彼の足跡を辿ることができた。 オンボードカメラによるレース映像の迫力は劇場スクリーンならではの臨場感。 「レースは勝つか負けるか。レーサーが目指すのは一位になることだ。それがレースだ。」激しい闘志でレースに挑むセナ。 「あいつとはやってられない。」4度のワールドチャンピオンに輝くフランスの名ドライバーで「プロフェッサー」と呼ばれ、セナと共にマクラレーンの黄金時代を築いたアラン・プロストにとって、ヨーロッパ白人社会の政治と金の暗黙のルールに真っ向から挑んでくるセナは、首位の座を脅かす存在とともに、我慢ならぬ存在でもあったのだろう。 プロストとの確執を通してヨーロッパ勢が支配するF1界、そして数々の栄光に輝いたセナのドライバー人生の光と影が見えてくる。 ![]() 「いいか、私の判断がなによりも正しいのだ!」。規則に則ったセナの抗議に対しそう言い切るFISA(国際自動車スポーツ連盟)のジャン=マリー・バレストル会長のこの言葉が、F1界でのヨーロッパ勢の巨大な政治と金の力を如実に物語っているだろう。「誰も僕の言葉を聞こうとしないんだ!」そういって部屋を出て行くセナに待っているのは出場停止、6ヶ月間のライセンス剥奪。政治と金のF1界で彼の孤独な闘いが続く。 本作はセナの側に立って編集された作品だけれど、しかし1980~90年代のヨーロッパ社会を振り返ると、本作で描かれているセナが味わった苦汁と辛酸は決して誇張されたものでもないだろう。 ![]() 国籍を隠すドライバーも多い中で、セナはブラジル国籍を前面に出し、優勝のたびにブラジル国旗を誇らしげに振る。そんなセナの姿は、貧しさに喘ぐブラジル国民にとっては勇気と希望の星。 1984年のデビュー以来、母国ブラジルで未勝利だったセナが、8度目の挑戦で初めて母国優勝をした1991年のレースはブラジル人のセナにとっては執念、悲願ともいえる優勝だったのだろう。 雨の中、ギアボックスにトラブルが生じ6速ギアしか使えずに走るという不可能に近いマシンで、ゴールまで走りきり、かつトップでチェッカーを受けるという、神業とも思えるセナの走り。ウイニングラップ時のセナの嗚咽をオンボードカメラが捉えていた。 しかしセナの肉体は数百キロのスピードの重力をもろに身体で受けとめ耐え抜いたのだろう。失神し、首と肩の激痛を訴える姿が映し出されていた。 走っているとき僕は神を感じるんだ。 映像の中で神という言葉がセナの口から何度も聞かれる。 神に選ばれ、神に愛され、そして神となって逝ってしまった。 なにが彼をそれほどまでに死と隣り合わせのスピードの世界に向わせたのだろうか。 その彼が、予選から事故が続出したサンマリノGPでは、マシンの不調を幾度も訴える。そして予選2日目、一人のドライバーが搬送先の病院で死亡したというニュースに涙を流す。そしてレースに臨んだセナのマシンが壁に激突。一瞬の映像だった。車体の一部が宙に舞う。 アイルトン・セナの甘いマスクと、そして誰よりも速く、何よりもレースを楽しみたいと語るセナのピュアでひたむきな眼をみていて、彼もまた神に愛されたがために早くに逝ってしまったんだなと思うと、国葬の映像や、プライベート映像の屈託のない表情をみせる彼の姿に涙が止まらない。 ![]()
by mchouette
| 2010-10-14 00:00
| ■映画
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