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SUNSHINE CLEANING
2008年/アメリカ/92分/PG-12 監督: クリスティン・ジェフズ 家のリフォーム疲れで昨年後半から劇場公開作品で未鑑賞映画の多いこと。WOWOW放映でそんな作品を録画。本作もそんな一つ。スタッフがナショナル・パブリック・ラジオを聞いていた際、シアトル郊外で二人の女性が事件現場の清掃を始めたという実際の話を聞き、それが元となっているとか。 ハイスクール時代はチアリーダーで学園のアイドルだった姉のローズ(エイミー・アダムス)は今は問題児の息子オスカーを抱えたシングルマザーで、仕事もハウスクリーニング。クリーニングにいった豪邸の主はかつての同級生。ローズの自尊心はズタズタ状態。おまけに学園時代の恋人とは腐れ縁的に不倫を続けている。 父親(アラン・アーキン)は一攫千金を狙うも誰にも相手にされていない。妹のノラ(エミリー・ブラント)は自立心に欠け、仕事も長続きせず、姉のローズから見ると世話の焼ける駄目な妹。 そんなノラを引張ってローズが始めたのが、自殺や殺人現場の清掃業。反吐が出そうな現場だけれどお金は儲かる。仕事が順調に行っていた矢先、ノラ一人で行かせた現場で、彼女の不注意から家を全焼させてしまう…。 映画を観ているうちに、「私は強い。私は負けない。」って自分に一生懸命言い聞かせて駄目家族の中で必死に頑張っているローズの姿にも、欲求不満と孤独を抱え悪ぶっているノラにも、いささか山師的とも思える父親の姿にも、なぜかとっても共感できるものが沸いてくる。 周囲の勝ち組の視線の中で、負け組み一家であるこの家族にある思いやりや優しさが等身大で描かれているからだろう。映画ってもともとがフィクションなんだけど、彼らが見せる笑顔が作り物めいてみえないのがいい。 ローズの息子オスカーに対しそれぞれのやり方で彼を愛している姿を通して、彼ら一人一人の思いやりや優しさが見えてくるからだろう。 そしてローズが必死に頑張るのも、ノラが自立できないでいるのも、母親の死が彼女達の根っこにあることがだんだんと見えてくる。 母親の死をこの目ではっきりと目撃したローズと、後からついてきた幼かった妹のノラは、惨状を見せまいとしたローズによって部屋から追いやられ、母親の死を受け入れられないまま大きくなった。 この時からローズはずっと自分に言い聞かせてきたんだろう。「私は強い。私は負けない。」って。 そしてノラはこの時からずっと泣きながら母親を求め続けてるんだろう。 撮影当時エイミー・アダムスは34才、エミリー・ブラントは25才。二人をみているとふとした瞬間に似た雰囲気があって本当に姉妹かと思えるほど。しっかり者の姉と世話のかかる妹と、そんな正反対の姉妹を演じたエイミー・アダムスもエミリー・ブラントにとっても好感が持てた。アラン・アーキンも「リトル・ミス・サンシャイン」よりも生き生きして見える。小作品ながら、これはなかなかに拾い物の作品。
by mchouette
| 2010-09-14 00:00
| ■映画
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