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SEVEN POUNDS
2008年/アメリカ/123分 監督: ガブリエレ・ムッチーノ ウィル・スミス。 特に好きな役者というわけではないけれど、彼の出演作は映画評価は別にして楽しめて好きな作品が多いし、その中のウィル・スミスの演技もまた好感度は高い。 その彼が、事業の失敗により、妻は家を出、一人息子とともにホームレス生活をおくりながら最終的には成功を掴んだ実話を描いた「幸せのちから」というヒューマンドラマに取り組み、実の息子との共演も話題を呼んだ。最近よくあるハリウッド的ハートウォーミング作品か…と、斜め視線で劇場鑑賞はスルーしたけれど、偶々WOWOW放映で観て、たしかに心温まる感動作品なのだけれど、ウィル・スミスの力みのない演技、そして父と息子の共演もとても自然で、感動の押し売り的な押しつけや誇張を抑えたガブリエレ・ムッチーノ監督の演出がよくって、これは本当に拾い物の大当たり。 本作は、その「幸せの力」に引き続いての、ガブリエレ・ムッチーノ監督とウィル・スミスがタッグを組んだ2作目。 「幸せのちから」がとっても良かったので、往々にして1作目が良くって2作目でがっくりというパターンが多いので、今度の2作目で失望させられたら嫌だなぁって、これも劇場鑑賞はスルー。 いやぁ、本作もなかなかの秀作で、最後は思わず涙ぐんでしまった。 ガブリエレ・ムッチーノ監督。 「幸せのちから」で初めてその存在を知った監督だけれど、なかなかに感情のツボを心得ていて、洗練された粋な演出をされる方。 国税調査官ベンと名乗る主人公が一体何者で、彼の言う計画も、彼の行動も、予告編等で語られていた贈り物も、はっきりと示されないまま、そんな展開に戸惑いながらも、彼が一人になった時にみせる孤独と苦悩に、この主人公の不可解な行動に寄り添われずにはいられない。そして最後に、彼がどんな思いでその後を生き、何を考えていたのかが、衝撃と慎ましやかさでもって語られる。 原題の「SEVEN POUNDS」 彼の贈り物の総重量という解釈もあるみたいだけど、血肉の通った彼の人生の7片とでもいえるだろうか。どんな思いで分け与えたことだろう。 彼の選んだ生き方。死に方といってもいいだろうか。 リストにあがったエミリーとの間に芽生えた愛に彼がどれほど葛藤したか…思わず涙せずにいられない。 「作り物めいていると言われれば否定できないが、40年映画を見て来た僕が少なくとも観ている間は信じていられる嘘である。」いつもブログでお世話になっている<プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]>で、プロフェッサー・オカピーさんが本作について書かれた言葉である。 私があれこれ書き綴るよりも、オカピーさんのこの言葉がこの作品を端的に語っているだろうと思う。私もオカピーさんのこの言葉が胸に響き、本作はぜひ鑑賞しなければという気持ちになったほど。 余談だけれど、ウィル・スミス演じる主人公は、少年の頃から空を飛びたいと願い続け、大学はマサチューセッツ工科大学(MIT)出身という設定だが、ウィル・スミスも18歳の時になんとこの名門MITの推薦を得ていたそうだ。当時、友人とヒップホップ・グループを結成していた彼は、その推薦を蹴ってレコードデビューを果たしたとか。 シリアスなドラマで性格俳優として確かな演技をみせる彼だけれど、娯楽作品でも、アクションとコミカルな面そして真面目な部分のバランスが絶妙で、来日した時も、そのサービス精神と、飾らない大らかさが好感のウィル・スミスって本当に頭のいい人なんだろう。
by mchouette
| 2010-04-24 11:19
| ■映画
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