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A LETTER TO THREE WIVES
1949年/アメリカ/103分 監督: ジョセフ・L・マンキウィッツ 原作はコスモポリタン誌に掲載されたジョン・クレンプナーの「五人の妻への手紙」。映画では三人の妻だけの話に変更されている。 60年前の作品ながら、手紙を読んだ三人の妻たちが、それぞれの夫との関係を回想するシーンなども共感を覚え、なによりも台詞に「愛」という言葉を登場させずに、見事に夫婦における愛の在り様を描き出している脚本、演出は大いに堪能させられるものだった。 監督・脚本は「イヴの総て」のジョセフ・L・マンキウィッツ。 本作で彼は監督賞と脚本賞で1949年第22回オスカーを受賞している。 舞台はニューヨーク近郊のベッドタウン。 親しく交流している3組の夫婦。 今日は5月の第2土曜日で、三人の妻たちは子供たちの為のボランティア活動として一泊のピクニック旅行に出かける。遊覧船に乗船する直前の三人の妻たちに一通の手紙が届けられた。 差出人はアディ。アディは三人の夫たちにとって独身時代からのマドンナ的存在だった女性で、妻たちにとっても表面的には共通の友人として交流しているけれど、快い存在とはいえない女性。 そのアディからの手紙の内容は、「今日私はあなたたちの夫の1人と駆け落ちします」という穏やかならぬものだった。 アディなる女性が冒頭で声だけ登場しているのも、面白い。 下船して真相を確かめたい気持ちを抱きながらも船は妻たちを乗せて動き出した。 妻たちにとっては「ひょっとしたら、夫では…」と思い当たる夫婦関係。 しかも今朝の夫の行動、洋服はいつもの土曜日とは違うことにも不安が忍び寄る。 そんな妻たちがそれぞれに夫との関係を回想する。 妻たち回想の中にも、アディが夫と自分との間に棘のように突き刺さる存在として逆なでする。夫が本当に愛していたのはアディでは…? 夫からの直球を変化球と受け止め空振りしてしまったために心に沸き起こる、愛への不信感。 三人三様のそんな夫婦間の愛情の機微が実に巧みに描かれていて、60年前のこんな作品で描かれている夫婦の在り様ながら、妻たちの心情には大いに共感させられる。 これが現代を舞台にリメイクされたとしたら、多分、本作のように妻たちに共感を覚える風に描かれるだろうかと、最近の映画の風潮に、こんなことを思ってしまう。本作の上手さは、夫婦の愛の在り様を描いているのだけれど、「愛」という言葉を台詞に登場させずに、夫婦の愛の機微を捉え、描いていることだろう。 だからこそ台詞の行間からそれぞれの夫婦の「愛の形」がくっきりと浮かび上がってくる。 とりわけ、金持ちの実業家との玉の輿結婚をした妻と夫のエピソードが気に入った。「愛」を冨という形に換算した二人が相手の愛に対する不信感が拭えず、アディの一件によって、二人が初めて素直に愛に向き合う。「踊るか?」「いいわ」この会話だけで二人の絆を物語っている。 台詞の巧みさ、妙味を堪能できる作品。 ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
タイトル : 三人の妻への手紙
(1949/ジョセフ・L・マンキウィッツ監督・脚本/ジーン・クレイン、リンダ・ダーネル、アン・サザーン、カーク・ダグラス、ポール・ダグラス、ジェフリー・リン、セルマ・リッター、声のみ:セレステ・ホルム/103分)...more
タイトル : 『三人の妻への手紙』'49・米
あらすじ3人の人妻が“あなたたちの主人の1人と駆け落ちします”という手紙を受け取り・・・。解説アカデミー賞監督賞脚色賞受賞作アカデミー監督賞と脚本賞を2度も獲得した『裸......more
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