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10代のオシャレに目覚め始めた頃に観て、「オシャレ!」って思った映画がこれだった。
「シェルブールの雨傘」製作45周年特別企画として「シェルブールの雨傘」そして「ロシュフォールの恋人たち」のデジタル・リマスター版がテアトル梅田で上映されている。 この2本は私がまだ10代の、お洒落に目覚め始めた頃に観た作品。 それまではミュージカル映画というと「メリー・ポピンズ」(1964年/アメリカ)で「スーパーカリフラジリスティックイクスピアリドーシャス」というお呪いを一生懸命覚えたり、「A Spoonful of Sugar」という元気で陽気な歌を英語で覚えて歌ったり、「サウンド・オブ・ミュージック」(1964年/アメリカ)だの、「チキ・チキ・バン・バン」(1968年/イギリス)だのを観ていた私にとって、初めて「オシャレ!」って思った映画がこの2つ。 お洒落に目覚め始めた頃の私に、「フランス映画=オシャレな映画」っていう図式がしっかりとインプットされたのがこの2本の映画だった。 今回の上映は「ドゥミ×ルグラン=ミュージカル女優 ドヌーブ」と銘打たれた上映会の一貫で、このキャッチコピーが 「恋、音楽、ファッション、すべての女の子の原点がここに」 「シェルブールの雨傘」はまさにオシャレの原点! オシャレ心を教えてくれた作品! トレンチコート、ワンピースとお揃いのコート、スカーフ、ビーズの小さなバッグ、すらりと伸びた足、歩き方…… ギイがのる自転車、 そしてオープニングを飾るカラフルなパラソル… 「シェルブールの雨傘」 LES PARAPLUIES DE CHERBOURG 1963年/フランス/91分 監督: ジャック・ドゥミ 脚本: ジャック・ドゥミ 撮影: ジャン・ラビエ 作詞: ノーマン・ギンベル 音楽: ミシェル・ルグラン 出演: カトリーヌ・ドヌーヴ/ニーノ・カステルヌオーヴォ/マルク・ミシェル/エレン・ファルナー/アンヌ・ヴェルノン アルジェリア戦争が若い2人の恋を引き裂いた悲恋物語だけれど、もう片方からみると、愛の残酷さも描いている物語。 僕たちの子どもをつくろう。 女の子だったらフランソワーズよ。 愛し合った若い2人の夢見る未来。 ギーの子どもを身ごもったまま別の男性と結婚したジュヌヴィエーヴが生れた女の子にフランソワーズと名づけ、そして「ジュヌヴィエーヴのことはとっくに忘れてしまったよ。愛する君との生活を夢見ている」そういって彼を慕い続けていた女性と結婚したギイは生まれた男の子にフランソワと名づけた。再会した二人は互いに距離を置き、今の幸福を壊すことはしない。けれど、互いに心の奥深くまだ消えない愛の炎が燃え続けている。そんなラスト。 「ロシュフォールの恋人たち」 LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT 1966年/フランス/123分 監督: ジャック・ドゥミ 脚本: ジャック・ドゥミ 撮影: ギスラン・クロケ 音楽: ミシェル・ルグラン 出演: フランソワーズ・ドルレアック/ カトリーヌ・ドヌーヴ/ジーン・ケリー/ジョージ・チャキリス/ダニエル・ダリュー/ジャック・ペラン/ミシェル・ピッコリ/グローヴァー・デイル 「シェルブールの雨傘」でカトリーヌ・ドヌーヴを知って、その後にドヌーヴとお姉さんのフランソワーズ・ドルレアック共演の「ロシュフォールの恋人たち」を観たと思う。この作品の上映時にはドルレアックは交通事故で25歳の若さで既に亡くなっていることを知った。 「ロシュフォールの恋人たち」を観た時はドヌーヴの方が華やかさがあって、ドルレアックはそれほどの美人と思わなかったけれど、その後ロマン・ポランスキーの「袋小路」」や、フランソワ・トリュフォーの「柔らかい肌」の彼女を観ると、ドヌーヴとは違ってドルレアックは柔らかい線の美しさ。 「ロシュフォールの恋人たち」はもう一度スクリーンで!と思っていただけに今回の上映はとても嬉しい企画。 ジャック・ペランもとっても若い。 彼女たち双子姉妹のお母さんでカフェのマダムがダニエル・ダリューだったんだ。ミシェル・ピコリも出ていたんだ。彼がでてくるシーンはすっかり記憶から飛んでいた。 海兵隊員で画家のジャック・ペランがまだ見ぬ理想の女性を描き、その顔がドヌーヴで、2人はどこで出会うんだったっけと思っていたら、途中で思い出した。ドヌーヴやジョージ・チャキリスがパリに向うトラックが、パリに向かってヒッチハイクするペランを乗せるんだった! 数十年前に見たきりだったけれど、覚えているシーンに嬉しくなってくる。 太陽が燦燦と降り注ぐロシュフォールを舞台にして、恋人たちがそれぞれにかけがえのない恋と出会う。 アメリカからミュージカルスターのジーン・ケリー、そして「ウエスト・サイド・ストーリー」でいちやく有名になったジョージ・チャキリスを招いての本作。 ジョージ・チャキリスは本作では主役ではなくって、狂言回し的な役どころだが、たっぷりとダンスを披露してくれる。 ルグランの軽快なテンポの曲は今も素敵に響いてくる。 そしてカラフルで上品な色づかい。 ドルレアックの紫の小物がオシャレ! やはり今観てもオシャレ!で素敵なミュージカル。 「シェルブールの雨傘」そして「ロシュフォールの恋人たち」のデジタル・リマスター版の上映を記念して、監督であるジャック・ドゥミ監督作品もテアトル梅田でセレクト上映されている。セレクト上映作品は『ローラ』(1960年/フランス/85分)、『モン・パリ』(1973年/フランス/94分)、『ロバと王女 デジタルニューマスター版』(1970年/フランス/89分) 「シェルブールの雨傘」でドヌーヴ演じるジュヌヴィエーヴにプロポーズする宝石商のカサール氏の「かつてローラという女性に恋をし、彼女を忘れるために世界の果てまで旅をし……」と語るその「ローラ」を描いたジャック・ドゥミ監督の初長編作「ローラ」(1960)も上映されていたけれど、今回はこの作品は時間の都合でパスすることに。 この作品はジャン=ピエール・メルヴィル監督から「ヌーヴェル・ヴァーグの真珠」と激賞された作品。機会があれば是非です。 ローラにはアヌーク・エーメ。カサール氏を演じたマルク・ミシェルも出演。 このマルク・ミシェルさん、優しい二枚目なのだけれど「穴」では最後には仲間を裏切り「情けない奴だ」と侮蔑され、 「ブーベの恋人」では文学青年気取りの軟弱な色男を演じていて、「シェルブールの雨傘」ではジュヌヴィエーヴのお腹の子どもも自分たちの子供として育てようと、ひたすらジュヌヴィエーヴを愛する優しい男性を演じていたのは面目躍如? ただ彼の出演映画をみると「穴」「ローラ」「ブーベの恋人」「シェルブールの雨傘」だけとなっている。 そして「ローラ」という名前は『ロシュフォールの恋人たち』でも出てくる。ダニエル・ダリューが経営するカフェの常連である初老の紳士が殺人事件を起す。相手は元踊り子でローラ。その老紳士は40年間ローラを思い続けた挙句振られたことが原因で彼女を殺してしまったという、そんな悲しい恋のエピソードもしのばせている。 だから本当にかけがえのない真実の恋を求めて、デルフィーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)は自分にそっくりの理想の女性の肖像を描いた水兵(ジャック・ペラン)を捜すためパリへと旅立つ……。 アメリカやイギリスとは違うフランス流のオシャレを教えてくれたジャック・ドゥミ作品の数々。
by mchouette
| 2009-03-01 00:00
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