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HELLBOY II: THE GOLDEN ARMY 「ヘルボーイ」が還ってきた。 真っ赤な身体の大きなお猿さん。 地獄生まれの正義のヒーロー。 2004年にギレルモ・デル・トロ監督が映画化してから4年ぶりの続編。 これは! これは! これは!前回の「ヘルボーイ」も面白かったけれど、本作をみると、エルフがでてくるといったファンタジー的な要素もあるからだろう。今までのギレルモ作品って、「ミミック」とか前作「ヘルボーイ」も好きだけれど、どこか生真面目で固かったなって思うほど、本作は、ギレルモのイマジネーションがとても伸びやかな豊かさをみせ、縦横に映像世界を駆け巡っている。 前作の「ヘルボーイ」では原作者マイク・ミニョーの作り出した世界に忠実にといった義務感が彼を捉えていたようだ。おどおどした気持ちで映画を作ったせいか、十分な結果を出せなかったと、ギレルモは前作を振り返っている。 今回はそんな枠を超えて、今回は自分の直感に頼って大胆に、自分が思う最高の作品にしよう、そんな気持で続編となる本作「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」を撮ったそうだ。 きっと「パンズ・ラビリンス」で、彼は映画という世界が持つ無限大の可能性、さらに自分自身の世界をさらに強く掴み取ったのではないだろうか。 そんな気さえする。 憎めない満面の笑顔で、太くってまるまっちい身体のギレルモ監督は、外観に似合わず、とてもファンタジーな人みたい。作品に流れる異端の者に向けられた慈しみの眼差し、そして愛がギレルモ作品に流れる一貫したテーマだ。 人類の暴走に耐えかね伝説の最強軍団「ゴールデン・アーミー」を甦らせて人類滅亡を目論むエルフ族の王子に立ち向かうヘルボーイたち。 そんな過激な戦闘シーンもあるけれど、恋に不器用な純な一面に微笑んでしまうシーンなどもあり、ヘルボーイの仲間エイブとエルフの王女との悲恋も盛り込まれ、そして、前回ギレルモがそのキャスティングについては周囲の反対に一歩も退かなかったヘルボーイ役のロン・パールマンも健在で、すっかりリズの尻に敷かれているけれど、二人の絆は強い。 教授の愛が地獄からきた子供を平和の使者に変え、そしてリズの愛がヘルボーイの命を救い、そして愛がヘルボーイに世界を救う力を与えた。 キアヌ主演の「地球が静止する日」ではお仕着せのように愛が描かれていて、お粗末な限りだったけれど、「ヘルボーイ」では「愛」が本当に切々と伝わってくる。 ギレルモの作品でいつも描かれている2つの世界。そしてその間で彷徨う存在。どちらにも存在するが、そのどちらにも属さない存在。そんな者たちの悲しみと葛藤がギレルモのメッセージとして貫かれている。こんなギレルモの意識が、映像に言葉以上の深みを与えているんだろう。 「モンスターにもそれぞれ言い分があり、倒されたモンスターを観て悲しい気持ちになってくれれば、僕の狙いは成功したといえるだろうね」そう語るギレルモ監督。 ギレルモ監督が総指揮を努めた「永遠のこどもたち」といい、本作といい、ギレルモで楽しいけれど異色の幕開けとなった2009年映画事始。なんだか幸先がいいような…。 追伸:メキシコ出身のギレルモ・デル・トロ。
by mchouette
| 2009-01-13 00:00
| ■映画
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