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1933年/アメリカ/90分 ルビッチ作品鑑賞3作目。 11年来の親友である売れない劇作家のトム(フレドリック・マーチ)と売れない画家ジョージ(ゲーリー・クーパー)の2人と、列車に乗り合わせた広告デザイナーのジルダとすっかり意気投合してしまう。男2人と女1人の三角関係をユーモアたっぷりに描いた作品。 前の席に座っているトムとジョージ2人が口をあけて寝ているところをジルダがこっそりスケッチし、眼を覚ました2人が、今度は寝てしまったジルダのスケッチブックをこっそり見て、面白おかしくスケッチされている自分たちを見て…そんなユーモラスなシーンから始まる。 この頃のゲーリー・クーパーって、まだまだ若くって、背が高いだけで軟弱そうな雰囲気にはちょっと笑ってしまった。やはり男性はある程度年齢を経たほうが味が出てくるもんだと、この映画の彼をみていてつくづく思った。 トムとジョージはそれぞれにジルダに恋をしてしまったようだ。 互いに牽制しあうも、そのために2人の友情に皹が入るのはまずいとジルダを無視することを誓い合うが、そんな友情の誓いもジルダを前にしてあっさりと崩れ去る。 ジルダの方もタイプの異なるトムとジョージを2人とも好きになり、どちらか一人に決めれないという。 ジルダの提案で、セックスはしないという紳士協定を結び3人で暮らし始める。 これからは2人の芸術の母になって2人を鍛えるわと、駄作だと扱下ろしながらトムの脚本を劇場に売り込みに行くなど、売れない2人を応援するジルダ。 しかしトムが劇作家として認められてロンドンへ行った時3人のバランスが崩れ、協定を破ってジョージとジルダは結ばれる。 トムはロンドンで劇作家として、ジョージも画家としてそれぞれ成功の道を歩き始める。 ジョージが画家の仕事で出張中、ジルダは突然もどってきたトムと結ばれる。 3人の紳士協定はもろくも崩れ去り、ジルダは2人にそれぞれ置手紙を残し、広告会社の経営者と結婚する。拝物主義の実業家との結婚はジルダにとっては砂を噛むような味気ない生活だった。 そこにトムとジョージが現れ、不毛な生活から彼女を救いだす。 作中での3人の構図がおもしろい。 男2人並んでジルダと向き合うか、あるいは2人の真ん中にジルダがいるかのどちらか。 常に二等辺三角形が正三角形の関係。 女が支点となり底辺で支え、そこに男2人が寄りかかった2辺となる。 男の2辺は常に同じ角度、同じ長さでジルダと接している。 そこから1辺が抜けると、残った2人は男と女の関係になり、相手に対する所有欲から嫉妬も生まれ、諍いも生まれ、1対1の関係も消滅の危機に陥ることになる。 紆余曲折の末、3人が出した結論は、やっぱりセックス抜きの紳士協定! 列車の中での愉快な出会い、男性二人を振り回すジルダのコケティッシュな奔放さ、小気味良い台詞のやり取りに比べて、その後の展開が一面的で捻りが面白みに欠け捻りが欲しいところであるが、1933年という時代を考えると、こうした三角関係のあり方そのものが既にして、時代のモラルを超え、洗練されたものだったのだろう。 この三角関係の力学が崩れると…… 監督: エルンスト・ルビッチ 原作: ノエル・カワード 脚本: ベン・ヘクト 撮影: ヴィクター・ミルナー 出演: ゲイリー・クーパー/フレデリック・マーチ/ミリアム・ホプキンス/エドワード・エヴェレット・ホートン/フランクリン・パングボーン/イザベル・ジュウェル
by mchouette
| 2008-09-21 00:00
| ■映画
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