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Angst essen Seele auf
1974年/旧西ドイツ/93分 at:シネ・ヌーヴォ フィンランドの映画作家アキ・カウリスマキはファスビンダーについて、「70年代に映画を志した若い監督たちにとって、10年前にゴダールが持っていたのと同じくらいの影響力を持つ作家であるとともに、道標であった」と語っている。 そしてファスビンダーの「不安と魂」は、彼にとってはファスビンダー作品でも最も重要な作品であり、「この作品の飾り気のない人間的なリアリズムは、私が僭越ながらも自分の映像スタイルと呼ぶものに、多大な影響を与えました。」と語っている。 夫と死別し子どもも独立し、掃除婦をしながら暮らす初老のドイツ女性エミと、モロッコからきた外国人労働者の青年アリとの年齢と人種を越えた恋愛を軸に、自由主義圏で高度経済成長にあるドイツ社会における外国人労働者、根強く残る民族差別と偏見、そして彼ら自身における苦悶と葛藤、さらに恋愛が抱えるエゴ、そしてそこにはエミとアリにおける旧と新という世代間の葛藤さえも見える。 エミとアリという男女のメロドラマを通してドイツ社会が抱える問題が、濃密に繊細に描きあげられている。しかし社会的な視点をもちつつも、その範疇にとどまらず二人の純粋な愛の物語としてみごとに昇華させている。 アメリカのポール・ハギス監督が人種の坩堝アメリカを舞台に、アメリカ社会に蔓延する差別と偏見、葛藤、求める思いを描いた群像像劇「クラッシュ」のテーマの全てが、ファスビンダーのこの作品でみごとに描きつくされている。そんな感想を持った。 ファスビンダー作品でも傑作の一つといえるだろう。 そして「愛」という永遠のテーマを謳いあげた作品でもあるだろう。 監督・脚本・美術:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 撮影:ユルゲン・ユルゲン 照明:エケハルト・ハインリヒ 編集:テーア・アイメス 出演:ブリギッテ・ミーラ/エル・ヘディ・ベン・サレム/イルム・ヘルマン カール・シャイト/ペーター・ガウエ/ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
by mchouette
| 2008-08-03 00:00
| ■映画
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