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La Femme De L'aviateur
制作:1980 出演:フィリップ・マルロー / マリー・リヴィエール /アンヌ・ロール・ムーリー / マチュー・カリエール / ファブリス・ルキーニ エリック・ロメール「喜劇と格言劇集」の第1話はシリーズで唯一、男性が主人公の物語。 ことわざは On se saurait penser a rien 人は何も考えずにはいられない 「人はすべてを考えるわけにはいかない」という慣用句のもじりだそうだ。 夜間郵便局で働く、法学部の学生フランソワは、夜勤明けの朝、年上の恋人アンヌを訪ねるとアパートから男と一緒に出てきたアンヌを目撃してしまう。その男はアンヌが以前つきあっていた既婚男性で飛行士のクリスチャン。 アンヌの気持ちの中では、クリスチャンとどこかで結婚できるかもという淡い期待が今もくすぶっていたけれど、クリスチャンの早朝の訪問は妻が妊娠したためパリで妻と一緒に暮らすことになったため、アンヌにはっきりと別れを告げに来たものだった。 そうとは知らないフランソワは勉強どころではなく、アンヌの仕事場に電話して問いただしても、アンヌはアンヌでクリスチャンからの別れにショックでフランソワとは話したくない状態でつっけんどんにされてしまう。 喫茶店で落ち込んでいたフランソワはその店に女性と一緒のクリスチャンを見つける。二人は店を出てバスに乗り込んだ。フランソワも思わず二人の後を追ってバスに乗り込んでしまう。 フランソワの前には高校生のリシューが座っていて、フランソワの行動に不審をもつ。そして二人が降りたバス停にリシューも降りていて、 とんちんかんな勘違いがありつつも、フランソワとリシューの尾行が始まる。クリスチャンと連れの女性の関係は? 二人とりわけリシューはすっかり探偵気取りで、カフェで大いに盛り上がる……。 全く、人は何も考えなければいいものを、ついあれこれ考えて、フランソワみたいに思わず後を追ってしまったり、そんな考えに囚われてあれこれ思い悩んでしまうこともあるものだ。 観ている方は二人の追跡ごっこに探偵ドラマを見ているような気分にさせられるのも面白い。 それとあわせてパリを愛するロメールらしく、尾行を続けるフランソワを追ってカメラはパリの街からビュット・ショーモン公園へと…。 この公園には旧パリ環状鉄道跡が残されていて、リヴェット監督の「北の橋」でオジェ母娘が歩く線路はここがロケ地だそうだ。 「愛するパリ」がもう一つのテーマともいえる作品。 アンヌ役のマリー・リヴィエールは、本作がロメール作品初出演。 「愛の昼下がり」をみて彼女からロメールにコンタクトをとり、以降ロメール作品の重要メンバーとなって本シリーズの「緑の光線」の他、多くのロメール作品に出演している。
by mchouette
| 2008-06-14 00:01
| ■映画
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