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自転車が出てくる映画、猫が出てくる映画…映画も、こんな風にちょっと見方変えてみるのも面白い。案外と見落としているシーンとか、気付かなかったこととか、それが隠れたキーワードだったりとかする場合もあったり… 私の名前「Chouette」はフランス語で梟。 それにちなんで映画で梟がいる作品を探してみました。といっても見過ごしているものもあって気がついたものだけを紹介しています。他に気がついたら教えてください。 はじめに梟について… 絵画では片隅にさり気なく梟が描かれている絵って案外あります。日本画展にいっても、あっ、ここに!っていう風に、見過ごされるようなところに、あえて作家さんの拘りみたいな風にして描かれていることが多いです。映画でもこういう使われ方が多いです。特に深層心理をイメージとして表出させたり、画面に緊張を与えるという風に…… 西洋では梟をテーマにした絵本などもありますけど、日本ではあまり馴染みがある鳥ではありません。 西洋では、梟は古代ギリシャでは女神アテナの従者で、首が360度回ることから「森の賢者」と言われ、知恵の象徴とされていますが、 日本では梟は死の象徴とされ、梟を見かけることは不吉なこととされていたようです。日本で馴染みが薄いのはこういうことも影響しているんでしょうね。また、日本では梟が棲息するほどの森が多くないことから、それほど身近な存在でもないのでしょうね。バブルが弾けてから「不苦労」、「福郎」といった風に福を呼ぶものともされ、梟をモティーフにしたものもあちこち目につくようになってきました。 海外では切手のモティーフに梟が多く使われています。 海外の梟の切手を収集家から見せていただきました。その数、図柄のユニークさ、豊富さには驚くばかりです。それだけ愛されているんでしょう。国の多さにも驚きます。初めてしった国もありました。そんな切手で、例えばアイスランドのレイキャヴィック高校の切手ではエンブレムの図案の中に虫眼鏡で見ないと分からないけれど、それでもきちんと梟が存在感もって描かれている。そういう風に描かれている梟も多くあります。そんなとこに梟に対する拘りを感じます。 民族によっても梟の扱いかたは様々なようです。崇められたり、拒まれたり…。 アイヌの人々は、守護神コタンコロカムイとして崇めているけれど、ホピ族(北アメリカの先住民)では梟は不潔で不気味な生き物とされている。こんな鳥も珍しいです。 「ミネルヴァの梟」という言葉もあります。 「ミネルヴァの梟は、迫り来る黄昏(たそがれ)に飛び立つ」 哲学者ヘーゲルが1820年に顕した「法哲学」の中の一節からきた言葉。知恵と工芸を司る女神ミネルヴァに仕えていたのが梟。いろいろな解釈があるようですが、「古代ローマの知恵の女神ミネルヴァに仕える梟は、迫り来る時代の黄昏を察知して、現実を直視せよと警告を発して飛び始める。」というのが一般的でしょうか。 20世紀に入り2度の大戦を経験し、未だに紛争が絶えない地域が世界中に存在する。現代社会の病巣の根深さが語られてなお……。現代社会に鋭く突き刺さる言葉です。 私は梟ファンのコレクターというほどではありませんけれど、こんな描かれ方、捉え方をされている梟が好きです。 ところで、私が知っているブロガーさんたちで猫を飼ってられる方って多いです。猫と梟は昔からとっても仲良しの間柄で、絵本などでも取り上げられていることも多いんですよ。 梟が出てくる映画 ■「狩人の夜」 THE NIGHT OF THE HUNTER 1955年/アメリカ/93分 監督:チャールズ・ロートン 出演:ロバート・ミッチャム/リリアン・ギッシュ/ シェリー・ウィンタース/イヴリン・ヴァーデン/ピーター・グレイヴス 俳優のチャールズ・ロートンが生涯ただ一度監督をてがけたという作品だそうです。 死刑になった男が銀行から奪った大金が未だ発見されていない。死刑囚と同房だったハリーは出所すると、金のありかを探るため福音伝道師を装い死刑囚の家族に近づく。彼の正体と目的を知り、母を殺された幼い兄妹は父が託した大金をもって逃亡する。身寄りのない子供たちを育てているクーパー夫人の家にたどりつくが、そこにもハリーの魔の手が……。 最期に少年が思わずとった行動が、監督が言いたかったテーマなのだろう。 ハリーが歌う賛美歌がまるで悪魔の子守唄のよう。映像はあくまでも子供たちの視点で、恐怖も子供たちの目線で描かれています。そしてモノクロ映像がとても幻想的な雰囲気をだしているけれど、けっしてサスペンス色を損ねることなく、魅力ある作品です。 梟がじっと見つめるというシーンが2度ほど出てきます。このシーンは緊張が走ります。360度首が回り、全てをみている梟。誰も知らなくても梟だけが知っている。 ハリー演じるロバート・ミッチャムの名演。そしてサイレント映画の花だったリリアン・ギッシュが映界にカムバックして、子供たちを守るクーパー夫人を演じてました。それから子供たちの父親で死刑囚になっているのがTVドラマ「スパイ大作戦」のピーター・グレイヴス。この顔見たら 「例によって君もしくは君のメンバーが……なお、このテープは自動的に消滅する。プシュワ~」っていうテープから流れる声が思い出されます。「ミッション:インポッシブル」より断然こちらのTVドラマの方が面白かった(若い方は全くご存じないでしょう。これ知ってたら年齢分かるぞ!)。 ■「禁じられた遊び」 JEUX INTERDITS 1951年/フランス/87分 監督:ルネ・クレマン 出演:ブリジット・フォッセー/ジョルジュ・プージュリー 第二次大戦中、戦禍を逃れ田舎へ疎開する途中、機銃掃射で両親を失った5歳の少女ポーレットは、少年ミシェルと出会い彼の家で暮らすことになった。両親の死の意味も分からない。死んだ人のお墓をみたポレットは生き物の墓を作りたいという。二人の秘密の墓場は古い水車小屋。小屋には梟が主として住み着いている。初めて梟をみて怖がるポーレットにミシェルはどこまでも優しい。予算が音楽にまでまわらず仕方ないからギター1本にしたそうだけど、これが良かった。ナルシソ・イエペスの爪弾くギターのメロディーは今でも忘れ難いし、駅でポーレットが「ママ、ママ………ミシェル、ミシェル」といって人ごみに消えていくラストシーンにはつい涙が……。 ■「ハリー・ポッター」シリーズ HARRY POTTER 2001年~ 魔法使いと梟はきってもきれない関係。メッセンジャーとして活躍します。 ハリーの梟は真っ白な梟。名前は「ヘドウィグ」 「ハリーポッター」のシリーズでは梟が一杯出てきますね。 ■「列車に乗った男」 L' HOMME DU TRAIN 2002年/フランス/90 監督:パトリス・ルコント 出演: ジャン・ロシュフォール/ ジョニー・アリディ 孤独な日々を過ごす初老の男と流れ者の中年男。正反対の人生を歩んできた2人が偶然出会って一緒に過ごす3日間の物語。孤独な男二人の束の間の触れ合いの時。その孤独なラストも切ない。 元フランス語教師の初老男の家。買い物から帰って来たら家の門が半開きになっている。いぶかしげに中に入ると、突然、何かが頭の上を掠めた。ふと見上げると木の枝に梟が…。男の深層心理を表すかのように画面に緊張感が生まれる。このときの梟は私が好きなメンフクロウ。右下のネームカードの写真の梟がそうです。これは劇場で観た時は梟は気がつかなかったのですが、CSで放映されていたので再見して気がつきました。こんな風に見過ごしている作品もあると思う。 ■「ふくろう」 2003年/日本/119分 監督:新藤兼人 出演:大竹しのぶ、伊藤歩 満州からの引き揚げ者たちが入植した東北の開拓村。不毛の土地の過酷さから逃げ出す者、一家心中する者、生き残ったのは母と娘の女2人だけ。食うものもない2人は男を引きずりこんでは、事が終われば毒殺し、金を巻き上げる……。開拓村で起きた奇怪な連続殺人事件の顛末をコメディタッチで綴った作品。戦後の引き揚げ政策を皮肉り、開拓村の入植者の悲哀が浮かび上がる。全てを見ているのは森の番人である梟。「梟が鳴いとる。梟が見とる」。誰もいなくなった家に梟が1羽。登場する役者も演技派ぞろい。芝居仕立てと梟を効果的に使った演出はユニーク。 ■「HOOTホー」 としか知りません。この情報でいつ公開かと待っているのですが、どうやら日本での劇場公開はなさそうですね(と勝手に考えてる)。実は、この記事は、これが公開されてからUPするつもりでしたが……。CSかBSで未公開作品として放映されることもあるでしょうかしら。 HOOTは梟の鳴き声のこと 日本語では、「ホー、ホー」となりますね。 この物語にでてくるフクロウはアナホリフクロウで、アメリカ大陸に広く分布して草原の土の下を好んで棲息しているという、ちょっと風変わりな小型のフクロウだそうです。 梟は出てこないけどタイトルに梟がいる! ■「ふくろうの河」 LA RIVIERE DU HIBOU 1961年/フランス/93分 監督:ロベール・アンリコ 出演:ロジェ・ジャッケ/アン・コネリー 南北戦争時のアラバマを舞台に、一人の兵士の眼からみた戦争、少年の眼からみた戦争、そして絞首刑の男。3部構成で戦争を描いた作品。幻想と追憶を見事に融合させ、モノクロのあくまでも幻想的で静寂ともいえる映像で戦争の悲劇を描いた作品です。最後の編、絞首刑になる男の物語の衝撃的なラストシーンが物議をかもしたとのこと。とても幻想的な幸せな映像から一瞬にして画面が変わり、思わず身体が前に……この衝撃が全てを語っている。森が主な舞台なので梟がどこかにと思ったのですが、一度も出てきませんでした。森の中の生き物達たちのなき声や姿も映像で捉え見事。未見の方は是非観てほしい一作。「冒険者たち」のロベール・アンリコ監督は本作が監督デビュー作でしょうか。 短編賞は絞首刑になる男を描いた編(26分)だと思います。 1962年カンヌ国際映画祭短編部門グランプリ 1963年アカデミー賞短編実写賞を受賞 ■「フクロウと子猫ちゃん」 THE OWL AND THE PUSSYCAT 1970年/アメリカ/ 96分 監督:ハーバート・ロス 出演:バーブラ・ストライサンド/ ジョージ・シーガル/ ロバート・クライ 娼婦のドリスと、売れない小説家のフェリクス。境遇の違う男と女の恋のお話。仲良しの猫と梟をタイトルにつけた映画。 ■「ふくろうの叫び」 LE CRI DU HIBOU ビデオタイトル:ふくろうの叫び/偏愛殺人 1987年/イタリア・フランス/102分 監督:クロード・シャブロル 出演:ヴィルジニー・テヴネ/クリストフ・マラヴォワ /マチルダ・メイ/ジャック・プノー 原作は「太陽がいっぱい」の原作者で知られるパトリシア・ハイスミス。彼が死を招くのか、死が彼に近づいてくるのか……誠実で自ら争いを起すことをしない男だが、なぜか彼の周りでトラブルが起こり人が死んでいく。そんな一人の男を描いたサスペンス作品。深層心理まで切り込んでいないのが少し物足りなさはあるものの娯楽で観るには面白い。 ■「梟の城」 1999年/日本/138分 監督:篠田正浩 出演:中井貴一 京(都城)で暗躍した闇に生きる忍者を夜行性で単独生活をするフクロウに喩えている。本作は未見ですのでコメントはタイトルだけ。
by mchouette
| 2007-08-16 00:00
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