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wowowでフランス映画特集なる企画で、ゴダールやトリュフォーとともにクロード・シャブロル監督作品も放映。「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」 (1995)、「甘い罠」(2000年)などはイザベル・ユペールの演技にゾクゾクさせてもらった。続いて第53回ベルリン国際映画祭コンペティション上映作品の「悪の華」(2003年)、そして「引き裂かれた女」(2007年)を鑑賞。
「悪の華」はあるブルジョワ一家の三代にわたるスキャンダラスな事情を描いたもの。 「引き裂かれた女」はテレビのお天気キャスターの女性が、高名で好色な中年作家との愛欲と、ストーカー的につきまとう金持ちの道楽息子との間で、自分自身を見失っていく様を描いたもの。 どちらも、シャブロルの初期の作品や「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」のようなゾクゾクする不穏な空気もなく、淡々と、いや、むしろ猿芝居とも思えるような滑稽ささえ感じられるほどに描かれている。 登場人物たちも、あたかも繰り人形のごとく魅力に欠ける。 たとえば「引き裂かれた女」のお天気キャスターを演じるリュディヴィーヌ・サニエ。彼女につきまとう金持ち道楽息子ポールにブノワ・マジメル。 あきれるほどの馬鹿さ加減に、三面記事を読んでいるような。 そんな野次馬根性すらも払いのけ、シャブロルのいささか悪意のあるシニカルな視線で暴かれた彼らの生態。 しかし「悪の華」の一家も、サニエ演じる元お天気キャスターも、極道息子ポールも、違う顔で何事もなく逞しくも生き続けていくんだろう……。 そんなことを思わせる二つの作品がみせるラスト。 2010年に逝去したクロード・シャブロルのこれら晩年の作ともいえる2つをみていて、面白くもありさほど悪くはないのだけれど、いささかの物足りなさと、後味の悪さを感じる。 やっぱり30代後半頃の「女鹿」(1968年、「肉屋」(1969年)などがゾクゾクさせられる面白さと、そそられるような色気が作品にあったなぁと思う。
by mChouette
| 2012-07-06 00:00
| ■映画
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