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THE PARADINE CASE
1947年/アメリカ/115分 監督: アルフレッド・ヒッチコック 本作はヒッチコック作品の中では珍しい法廷劇。 社会の歪、人間の持つ愛憎が凝縮された形で一つの事件となり、その事件をめぐって法廷という狭い空間で繰り広げられる弁護側と検察側の駆け引き、攻防戦。そこから浮かび上がってくるさまざまな人間ドラマ。 そして真実はいずこに? 人生、社会の縮図ともいえる法廷劇は好きな映画ジャンル。 ヒッチコックの描く法廷ドラマはどんなかしらって興味ありで鑑賞。 英国の名門パラダイン家の主であるパラダイン大佐毒殺容疑で、妻であるパラダイン夫人が逮捕起訴された。戦傷で盲目となったパラダイン大佐に献身する妻として知られ、類稀なる美貌の持ち主。しかし結婚前は売春婦だったという過去をもっている。どうもヒッチコックって、日常生活で、予期せぬ形で事件に巻き込まれたり、遭遇した時に人間が見せる不安や恐怖、切迫感、葛藤といった人間心理を状況描写からたくみに表現する演出は上手いけれど、本作のように男と女の恋愛感情が絡み合った心の襞を、サスペンスに練り上げていくのはあまりお得意ではないみたい。 観ている途中で先というか底というのかが見えてきて、犯人が夫人かアンドレにしろ、その裏でどんな人間模様や事情が隠されているのかなんって、どっちでもいいわって思えてきて……。 言葉の間隙を巧みに突きながら、真実を引きずり出していくところに面白さがある法廷劇そのものも、あまりお得意ではないみたい。 イギリス出身のヒッチコックだけど、階級社会イギリスにあって上流階級を舞台に人々を描くことに、いささかの居心地の悪さ、座り心地の悪さがあったような……。 パラダイン夫人には、ヴィスコンティの「夏の嵐」で青年将校と破滅的な恋にのめり込む伯爵夫人を演じたアリダ・ヴァリ。 描きようによってはチャールズ・ロートンが弁護士を演じた「情婦」のような内容の濃い法廷劇にもなる要素をもつのに…ちょっと残念。なにが悪かったのかしら? 妙にドラマティックにもりあげようとする音楽の使い方といい、話の展開といい、本当にヒッチコックが監督した作品なのかしら?って思ってしまう。それよりも、ミステリーチャンネルで9月から「ヒッチコック劇場」が放映されている。 映画で成功を収めたヒッチコックがテレビという新しいメディアに注目して製作したテレビドラマ。日本でも放映されて子供の頃のお気に入り番組だったもの。ヒッチコック自らがパーソナリティをつとめ、番組の冒頭と最後、そして間に入る彼のユーモア溢れるお喋りも面白く、毎週楽しみにしていた番組。今回放送分は1962年~1963年に制作されたもの。先日11話「悪夢の決算」を観ていると、若かりし頃のジーナ・ローランズが出ていて、そんなのも楽しみの一つ。
by mchouette
| 2010-09-30 00:00
| ■映画
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