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INGLOURIOUS BASTERDS
2009年/アメリカ/152分/R15+ 面白くなかったら入場料を返す!っていう宣伝文句につられたわけではないけれど、そこまで言うからには、映画オタク出身のあのタランティーノが言うんだから、ここんとこ観たい映画、風邪気味の身体を押してまで観たいと思わせる映画がない昨今の上映作品にあって、この辺でタランティーノ・ギャグで景気つけないとやってられんって気がしたもので、23日、最寄駅のシネコンまで自転車漕いで観にいってきました。 オープニングからして何やらワクワクさせられる。 最近の凝ったオープニングではなくって、クレジットの文字だけがゆっくりと映し出されて、流れるメロディは子どもの頃に観た映画の懐かしい曲。 映画タイトルは度忘れしても映画音楽だけはしっかりと頭に残っている。 映画「アラモ」で流れていた曲。「遥かなるアラモ」 第一章ONCE UPON A TIME… この言葉だけで、おおっ!と反応してしまう。 ナチス占領下のフランス。 ナチス・ハンターと異名をもつハンス大佐によって一家が惨殺され辛うじて生き延びたショシャナ。 第二章 民間人を装ってフランスに潜入しナチを非合法で殺害するアルド大尉率いる連合軍極秘部隊「イングロリアス・バスターズ」の面々たち。 フランスの片田舎から始まって、バスターズのゲリラぶりを見せられて、物語は第三章、第四章、第五章と、物語はパリへ、そして、ヒトラー初めナチ高官たちが出席するナチのプロパガンダ映画のプレミア上映会を行うとある小さな映画館へと誘われていく。 無駄がなく、それでいてじっくりと語る上手さはさすがです。 映画オタクのタランティーノ。 かつてビデオショップの店員をしながら映画にドボドボとのめりこんでいたタランティーノ。 この場面、このシチュエーション、このセリフ…… この作品をみていると、映画オタクの、こよなく映画を愛するタランティーノの本領ここにありって、そんな嬉しくなるような、彼が愛した映画作品のオマージュが嬉しいくらいに随所にちりばめられていて、それがタランティーノの中できちんと消化されて発酵されて映画好きには堪らんシーンが、音楽が、散りばめられて映像に収まっている。。 クエンティン・タランティーノって本当に半端じゃなく映画をこよなく愛してて今に至っているんだなって思わせてくれる。 これはタランティーノ流「映画に愛をこめて」だわって、観ながらしみじみ思った。 目には目をで、アルド大尉は殺したナチの頭の皮を剥いでもってこいと過激な発言。こんなシーンは目を背けたくなるし、ナチに怨みつらみをもつユダヤ人のドニーの、野球バットでナチを滅多打ちの処刑シーンなんかは映倫R15でよかったって思うし、バスターズの所業の生き証人として解放されたナチは頭にナチの印をナイフで刻まれれるシーンもリアルだし、こんなシーンは嫌だけど…… でもパンフレット読んでたら、バットでナチを殴り殺すユダヤの熊と呼ばれるドニー役のイーライ・ロスはユダヤ系で家族や親戚はホロコーストで殺されているというし、ナチスに対する恨みの充満したこの役をとことんリアルに演じようと思ったって言っているし、ショシャナ役のフランス女優のメラニー・ロランも家族はナチスによって殺され、夢の中で何度もヒトラーを殺したって語っている。 きれい事では語れないものがあるんだ。 ネタバレ全開だけど、引火性の強い当時のフィルムを爆発させるシーンは、もったいないって思ったけど、でも、映画を愛するタランティーノにとって、映画を第三帝国のプロパガンダに利用したヒトラー率いるナチスは、フィルムが消滅する痛み以上に、それ以上に許せん!ことだったんだろうな。 そして本作の功績は、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語を自在に駆使するだけでなく、コミカルからシリアスまで自在に演じるハンス大尉を演じたクリストフ・ヴァルツの存在によるところが大きいなって思う。 「30年、熱心に仕事をしてきてやっと訪れたチャンス」そう語る彼の言葉も重い。 それからショシャナを演じたメラニー・ロランの透明感のある美貌。 そしてブラピ率いるバスターズの、荒武者とは程遠い彼らの風貌。 シリアスな演技をするヨーロッパ勢と対照的に、乗り込んできたアメリカ部隊バスターズのどこかコミカルで間抜けた空気が絶妙な味付けもタランティーノ流。 上官の命令どおりに動かないブラピ演じるアルドを詰るハンス大尉。 「小言を言われておしまいさ。いつものことよ。」と意にも介さない。このあたりがドイツ人とアメリカ人の気質の違いかしらね。 書き出したら書くこと一杯出てくるけど、 とどのつまりが、さっきも書いたけど、本作はまさにタランティーノ流『映画に愛をこめて』 目をそむけるシーンもあったけど、久々に「映画観た!」っていう気分になった映画を観た。 風邪気味の身体に程よい強壮剤でした! 追記:
by mchouette
| 2009-11-24 13:59
| ■映画
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